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第三夫人と髪飾り [映画]

ベトナム映画と言えば、「青いパパイヤの香り」くらいしか思い浮かばない。日本に紹介されているベトナム映画ってそれくらい? 偶然か、それと何か似た雰囲気の本作。本作はスパイク・リーに師事していたというNY在住のベトナム人女性が監督。本作がデビュー作とのこと。世界各国の映画祭で多数の賞を取っているという。

19世紀ベトナムの農村部を舞台に、大地主のもとに第三夫人として嫁いだ少女の物語。第三夫人ということは第一と第二が存在するわけで、そういう女性同士のありがちなドロドロ嫉妬劇が描かれるのかと思いきや、それは凡人の先入観。一夫多妻制の家族を題材にしながら、主人公の少女の目を通して、たおやかに美しく生きる当時の女性達の生き様、その強さと儚さを見つめた、もっと深い人間ドラマ。

まず何よりも目を奪われるのが、優美で女性的な自然の美、神秘的で息をのむような東洋的映像美の数々。とにかく映像が美しい。本作の映像面での審美性は、最初から最後まで研ぎ澄まされ、徹底している。後半のあるシーンで、隣の隣に座っていた女性が小さく声を上げて、そして静かに嗚咽していたのですが、そのシーンは本当に悲しくて、そして魔法のように美しかった。本作は間違いなく傑作だと思う。


個人的評価 5点/5点満点

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