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ダンサー そして私たちは踊った [映画]

グルジア(ジョージア)を舞台にした青春映画。グルジアとジョージア、どっちが正しいだろう・・・。ジョージアって明らかに英語読みだし、やっぱグルジアなんかな。舞台はグルジアなんですが、監督さんのレヴァン・アキンがスウェーデン出身なので、スウェーデンの映画ということになっている。グルジア国内では同性愛が違法になっていて、この作品も上映禁止になっている、という事情もあるのかもしれない。

グルジアの民族舞踊に打ち込んでる青年が主人公。民族舞踊といっても伝統芸能というより、動きが激しくて、モダン&スタイリッシュな感じ。実家で家族と同居し、苦しい家計を助けるためにバイトにも精を出しつつ、国立舞踊団に所属し、その中でもトップクラスの実力を持つ。ダンスパートナーで彼女っぽい存在の女の子もいる。そんなある日、人懐っこい感じの一人の青年が入団して、徐々に主人公と惹かれ合っていく訳です。

この二人の若い役者が抜群にいい。溌溂として、時に繊細で、印象的で目が離せない感じ。そしてエモーショナルでダイナミックなダンスシーンがまた抜群にカッコいい。特に主人公を演じた人は元々ダンサーで、本作が初演技とのことなんですが、ダンスにも演技にも惹き込まれる。

主人公には、同じ舞踊団で将来を嘱望されていた兄がいて、兄弟の仲はいいんですが、言動はいかにも保守的かつマスキュリズムな感じで、自身のセクシャリティに徐々に目覚めていく弟と対比的に描かれる。この兄ちゃんが物語の上でキーマンの一人で、彼の存在によって、本作は社会的な重層性を効果的に獲得することに成功していると思う。

社会の様々な軋轢の中でもがきながら、自分の生き方を模索していく主人公の戸惑い、痛み、希望。スクリーンに刻み付けられた鼓動とステップ。世界の辺境から出現した青春映画の新たなクラシック。

個人的評価 4.5 点/5点満点


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