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ゴールデン・リバー [映画]

フランスの名匠ジャック・オディアールの最新作が何とアメリカの西部劇! しかも主演がホアキン・フェニックス! その情報だけでもワクワクするってもんです。

西部劇でゴールデンリバーとタイトルが付けば、ゴールドラッシュのことしか有り得ないのですが、本作のオリジナルタイトルは実はGolden RiverTheではなくて、 Sisters Brothersという。なんのこっちゃい、と思いきや、苗字がSistersの兄弟、ってことでした。凄腕の殺し屋/賞金稼ぎとして行動を共にするシスターズ兄弟を演じる、ホアキンとジョン・C・ライリーの二人が主人公。そして二人とも、本当にかっこいい。更に、脇役でジェイク・ギレンホールがキャスティングされとるやないですか!これぞJ.オディアールのネームバリューである。そしてこのトップスターアクター3人ともう一人、物語のキーパーソンを演じるリズ・アーメッド。この計4人が本作の主要キャスト。ちなみに、本作で相棒となるジェイク・ギレンホールとリズ・アーメッドは、「ナイト・クローラー」でも相棒だったりする。まあ本作と全然雰囲気は違いますが。

アメリカ西部の荒野を舞台に4人の男の生き様が交錯する。この世で最も映画映えするロケーション・・・それはアメリカの西部だ。それは間違いない。そしてこの4人の並びも間違いが無かった。とにかく贅沢な映像体験。自然も人間も厳しいアメリカの荒野。甘っちょろさ皆無。しかし男のロマンチシズムはスクリーンから否応なく立ち昇ってくる感じ。特にホアキンは本作でもキレまくっている印象で、そしてそれ以上に素晴らしいのがジョン・C・ライリーだった。本当に最高だったなー。

意外な方向性に物語の舵が切られていく後半の展開も面白かった。何より映像がすばらしく、映画館の暗闇の中で観るべき作品だった。

個人的評価 4.5点/5点満点



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おとぎ話 @ 京都ネガポジ 2019-07-07 [音楽]

ここ数年の恒例行事となった、京都ネガポジワンマン。
京都は西院のライブハウス陰陽(ネガポジ)は京都における彼らのホームと言えるハコ。ちなみに西院は私の実家の近所である。懐かしい。

阪急の西院駅前に大きなショッピングビルが数年前に建設されたことを除けば、この辺は昔とそんなに景色が変わらない。阪急と京福(嵐電)が直結していないものの数分程度の距離で隣接しており(ちなみに阪急と嵐電で「西院」の読み方が違う)、飲み屋が軒を並べるこの界隈は、京都市内の繁華街の中では西の端、といった趣である。

古くからこのエリアにはウーララという非常にコアなライブハウスが存在していたが、そのウーララが西院圏内の別の建物に移動し、ウーララがいなくなったハコに、かつて烏丸丸太町近辺に位置していた陰陽が移転。さらにGATTAKAというライブハウスもあり、京都市内の中でも独特の磁場を形成している。そういえば数年前にウーララで、ザなつやすみバンドのワンマンを観に行ったなあ。

と長々と余談。それはともかく、抜群なのはおとぎ話と陰陽との相性。普段よりもコアな選曲のセットリストも期待大。日曜日にも関わらず仕事の残業が忙しく、一瞬行くのをあきらめたりしたのだけど、職場から車で1時間かけて直行。(そしてライブが終わったらトンボ帰り)

この日、行って本当に良かった。
この日のおとぎ話は、ヤバイを通り過ぎてエグかった。ハードコアでゴリッゴリなセットリストは攻めすぎ。
演奏も絶好調で、特に牛尾氏のギターは冴えまくり。全曲において、彼のギターソロが最高の見せ場。有馬氏のヴォーカルもリズム隊も絶好調、とくに前ちゃんのドラムは普段以上にのっていたと思う。有馬氏の佇まいはロックスター的なカリスマを感じた。これ、ハコとの相性というか、場所のマジックもデカイ。

一曲目は新曲? メディアムテンポでガレージマナーに溢れたインストナンバー。そのまま「ふしぎソング」に流れ込み、「ブルーに殺された夢」「遺伝子」とつなぐ。この日のカラーがはっきりと見えたのが、ハードな音塊でズブズブと沈んでいくような「純真」、そしてガレージサーフロックの「逃げんな」と彼ら流のラウドナンバーが立て続けに演奏された辺り。この流れをダメ押しするかのような「きゅーと研究会」(曲名と曲調のギャップが最高)。

このあたりで改めて気づかされたのが、このライブハウスの音の良さ。おそらくハコのサイズ的にも、彼らの音楽性とぴったりなのだろう。一音一音がクリアに分離されて、それらの音が組み合わさって一つの音塊を形成して耳に飛び込んでくる感じ。十三ファンダンゴ、或いは京都磔磔といった彼らがよく演奏するハコと彼らの音楽の相性は抜群なんですが、ここはそれ以上かも。

一通り演奏し終わってMCを挟んでからの「TEENAGE KIXX」からは、いわば第二部的な趣き。前半のコアな選曲とはうってかわって、比較的よく知られている楽曲を中心に構成され、なかでも、以前はライブの定番だったのが最近はあまりライブで演奏されなくなっていた名曲「White Song」が絶品。最初この曲を聴いたとき、このバンドは絶対に来る!すくなくともサニーデイサービスくらいにはなる!と確信したほどの名曲は、久しぶりに聴いたらやっぱり誰もが耳を奪われるほどの名曲だった。最近は「Smile」の前フリでサビが弾き語りで歌われるくらいの扱いだったこの曲、やはりおとぎ話で外せない代表曲の一つである。この曲と、その前に演奏された「Homework」(毎日働いて、という歌詞が、日曜にも関わらず職場から直行したこの日ほど胸に迫ったことはなかったです、本当に。)では天井のミラーボールが稼動。仕事が完璧である。

ひたすら楽しい「ピーターラビット」「Boys Don't Cry」、まるでサザンのような夏っぽさ満点の「セレナーデ」が披露された後の「光の涙」にグッと来てしまう。それまで頭の片隅で、仕事頑張れ俺。とつぶやいていたりしたのが、「光の涙」でそういう余計なことが頭の中から消えていった。「ファンファーレサーカス」の変幻自在な曲調に、この曲すげーな、と驚き、そして「COSMOS」はこの日はテンポコントロールが完璧。夢心地。

これで本編終わりかと思いきや、穏やかな「HISTORY」、そして本編ラストナンバーは、私の中で隠れおとぎ名曲No.1の「赤へ飛び込め」(!!!!!)
超名盤の2ndアルバム「理由なき反抗」に収録されたこの曲は、滅多に演奏されることのない曲なのだけど、何を隠そう、私がこのバンドのライブに本格的に入れ込んでしまったきっかけとなったのが、「理由なき反抗」がリリースされた頃の磔磔ワンマンで披露されたこの曲なんである。三軍の補欠選手が、いきなりワンマン本編ラストという一軍エースに抜擢されたような感じに、ひとり大興奮(この日のオーディエンスでこの曲に一番喜んでいたのは俺で間違いない)、quiet - loud - quiet のダイナミズム、特に叩きつけるような後半の爆発から静寂へのコントロール、何もかもが最高だった。

アンコールは、本編前半のラウドナンバー連発をこの1曲で釣り合わせるような名曲「綺麗」が絶品。そしていわずもがな、「SMILE」と「少年」も最高だった。

実はこの日は彼らの初ライブDVDのリリースタイミングであって、それをもじってライブタイトルは「Video Killed The O.T.G.V」だった。もちろん購入。だけど今の仕事の忙しさだったら、このDVDが見れるのはいつになることやら。


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