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問題のあるレストラン [テレビドラマ]

2015年の第一クールもテレビドラマは割と見た。
まあ、山田孝之の赤羽のやつは、これは一体フェイク・ドキュか、それともひょっとして本人はガチだったのか?どうもよく分からん感じが、テレビドラマというフォーマットを完全無視してて、その自由な好き勝手感が面白かった。途中から山下敦弘監督がカメラの被写体として前面に出て来るのも、何か可笑しかった。
つくづく山田孝之ありきの企画、まさに日本のホアキン・フェニックス! 最近の彼のジョージア缶コーヒーのCMも、テキトー感が出てて、何かいい。

しかしドラマで完全にハマってしまったのは、坂元裕二脚本、真木よう子主演の「問題のあるレストラン」。

第一話、いきなり陰惨なセクハラ話で、正直引いた。流石にこんな会社は今どき有り得んだろう、と。けどまあ、主役の真木よう子はじめ個々の俳優たちのアンサンブルは魅力的で、あと会話のテンポ感は流石「最高の離婚」の坂元裕二だなあ、と。

そして、逆境に立ち向かう個々のメンバーの個性に脚光が浴びる2話以降、特に問題児3人娘(二階堂ふみ、高畑充希、松岡茉優)の動向が、一筋縄で行かないこのドラマの筋書きの絶対的フックと化してから以降。彼女らの繊細な演技にいちいち胸を揺さ振られてしまい、もうすっかりこのドラマのトリコに。
ゲイのパティシエを演じる安田顕や、チャラ男を演じる菅田将暉らも光っていたし、オレ様系天才シェフ役の東出昌大も結構雰囲気あったのですが、とにかくこの3人が本当に素晴らしかった。
第3話で松岡茉優が母に対してかける言葉では、不覚にも落涙。そして、シリアスな役どころでありつつもコメディアンヌとしての優れた素質も存分に見せてくれた二階堂ふみと高畑充希の二人は、本当に巧い!と。

更に輪をかけて魅力的だったのが、主演の真木よう子。柔らかくも芯の強い女性像をチャーミングに演じていて、女性からも男性からも支持率高めな感じ。ここぞという場面では、彼女の持ち味であるシャープで強い眼光を存分に発揮してて、ドラマを凄く締まったものにしていた。

終盤の展開がちょっと拍子抜け、けど、最終回の夢のシーン。ここに、このドラマのメッセージ性が凝縮されていると思う。つまり製作者側の着地点は、最後の最後に正義が悪を叩きのめす事のカタルシスなんかでは無かった、ということなんだろう。

そうじゃなくて、例えば、厨房で食器類を使ったパフォーマンスを披露する、本当に楽しくて素敵な数分間。或いは陽だまりの冬の公園で、ホットなカフェラテか何かを飲みながら、同じ音楽に耳を澄ませる、最高に感動的なシーン。ビターで過酷な現実を存分に描いたからこそ、これらの着地点が実に愛おしく、深い感動を生むのだ、と思う。


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