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2020年 映画ベスト10 + 次の10作品 + 選外の傑作 [映画 年間ベスト]

2020年は散々な1年でしたが、公開された映画は驚くほど傑作だらけの1年。マイベスト10は全て海外の映画で占拠されてしまいました。どの作品も他の年ならベスト3に確実にランクインしたくらいの傑作が揃った1年。
日本映画も決してハズレイヤーではなくて、いい作品/野心的な作品が多数。

ちなみに傑作である「第三夫人と髪飾り」「盲目のメロディ インド式殺人狂騒曲」の2作は、私が観たのは2020年ですが、日本での正式な公開は2019年だったらしく、よって選外としました。(そういう言い訳が無いと下の10作品に絞り切れなかったです。)

順位付けも相当迷った。全部1位でいい。もう順位関係ないっす。

1位「ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー」監督:オリヴィア・ワイルド
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爆笑、爆笑、そして感涙。スクールカーストという定番的枠組みをオールドファッションにしてみせた、最新仕様の青春映画、かつ、最強のバディ映画。暗い1年だったから、本作を1位に。

2位「ジョジョ・ラビット」監督:タイカ・ワイティティ
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こういうオモロい切り口のナチ映画はもはや発明。しかも反ナチス/反ファシズム映画として誠実。S.ヨハンソン、S.ロックウェルほか、キャストも最高よ。

3位「凱里ブルース」監督:ビー・ガン
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後半の40分ワンカット、このたまらないライブ感と夢幻感は何?もう完全に新世代。

4位「ミッドサマー」監督:アリ・アスター
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牧歌的な桃源郷が強烈な悪夢に変容していく、白昼夢的モダンホラー。男性主義社会に対する明確なアンチの視座が、陶酔的なようでいて実は非常に醒めている感じもまた、強烈。

5位「ハーフ・オブ・イット」(Netflix配信)監督:アリス・ウー
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恋と友情、疎外感と将来。青春映画の新たなスタンダード。今年一番繊細で美しい映画。

6位以下はランク付けではなく、観たもん順です。

「パラサイト」監督:ポン・ジュノ
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やっぱり外せない、文句なく2020年を代表する完璧な一本。突如トップギアに上げてくる所なんか凄いとしかいいようがない、社会派ブラックコメディの最高傑作。

「テリー・ギリアムのドン・キホーテ」監督:テリー・ギリアム
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二人の主人公の夢追い人な姿が、テリー・ギリアム本人と否が応でもオーバーラップ。
現実と空想の絶妙なバランスといい、この監督らしいビジュアルセンスといい、まさに集大成。主演の二人も抜群。

「異端の鳥」監督:バーツラフ・マルホウル
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圧倒的に深遠な白黒の映像世界を彷徨い、人間性の善と悪に迫る。メガトンヘビー級のロードムービー。

「鵞鳥湖の夜」監督:ディアオ・イーナン
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特異なビジュアルセンスが数分おきに炸裂しまくる、究極のスタイリッシュノワール。これが1位でもいいんだけど。

「息子の面影」(ラテンビート映画祭2020、配信)
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メキシコを舞台にしたロードムービー。圧倒的な映像美に目を奪われているうちに、地獄の底に突き落とされてしまう。ぜひスクリーンで再見したい。これが1位でも本当にいい。

次点クラスの10作品
「フォードvsフェラーリ」監督:ジェームズ・マンゴールド
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「リチャード・ジュエル」監督:クリント・イーストウッド
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「ロニートとエスティ 彼女たちの選択」監督:セバスティアン・レリオ
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「ダンサー そして私たちは踊った」監督:レヴァン・アキン
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「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」監督:アグニェシュカ・ホランド
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「窮鼠はチーズの夢を見る」監督:行定勲
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「浅田家!」監督:中野量太
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「マロナの幻想的な物語り」監督:アンカ・ダミアン
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「モスキート」監督:ジョアン・ヌノ・ピント(京都ヒストリカ映画祭2020)
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「燃ゆる女の肖像」監督:セリーヌ・シアマ
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上記以外では、北中南米・欧州圏では
「ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密」「1917 命をかけた伝令」
「ナイチンゲール」「ペイン・アンド・グローリー」「SKIN」
「透明人間」「WAVES」「ブラック アンド ブルー」「TENET」
「カラー・アウト・オブ・スペース 遭遇」「シカゴ7裁判」
「エマ 愛の罠」「オン・ザ・ロック」「おもかげ」
「ネクスト・ドリーム ふたりで叶える夢」「ザ・プロム」
「エンドオブラブ」「ペルセウス座流星群」(なら国際映画祭)
「魂は屈しない」(京都ヒストリカ映画祭)
「Once Upon A Time In Venezuela」「マリアの旅」(ラテンビート映画祭、配信)

アジア、アフリカ圏では
「はちどり」「82年生まれ、キム・ジヨン」「鬼手」(韓国)
「チィファの手紙」(中国)(という事で良いのかどうか・・・)
「ボヤンシー 眼差しの向こうに」(カンボジア)
「ラフィキ:ふたりの夢」(ケニア)

邦画では(観たもん順)
「ロマンスドール」「37 Seconds」「his」「音楽」
「ワンダーウォール劇場版」「架空OL日記」「初恋」
「劇場」「れいこいるか」「朝が来る」「星の光」
「蒲田前奏曲」「罪の声」「ジオラマボーイ、パノラマガール」
「彼女は夢で踊る」「VIDEOPHOBIA」「私をくいとめて」

日本の映画もこう並べて見ると、大御所・中堅・新鋭監督の素晴らしい作品が多数公開された充実の1年だったのですが。
ちなみに日本映画のベストワンは、豪華なキャスティングで語られるべき物語を語った「浅田家!」です。

所感としては、LGBTQモノと、シスターフッド的というかアンチ男性中心主義(Me Tooムーブメント以降の)の映画が、本当に多かった。優れた作品において特に。それが今の世界の大きなトレンドであることを強く感じた。上に列記した作品も、大半はこのどちらかにカテゴライズすることができます。

それ以外にホットなイシューとして、経済格差とBLMがあると思うのですが、格差問題は「パラサイト」が決定打。前年の「JOKER」に引き続いて。
BLM系は今後増えてくると思うけど、2020年で言えば「ブラック アンド ブルー」ですかね。それ以前だったら「ゲットアウト」「デトロイト」とか色々あると思いますが。

毎年の恒例なので、俳優部門。
男性はサム・ロックウェル(「リチャード・ジュエル」「ジョジョ・ラビット」)。

女性はフローレンス・ピュー(「ミッドサマー」「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」「レディ・マクベス」)。

それとこれだけは言いたいのですが、映画館は安全! 観客全員が常識をわきまえれば。



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