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アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル [映画]

これは素晴らしい映画だった。2回も観てしまった。
主人公を始めとする登場人物たちの造形が見事だし、貧しいヒロインが唯一の取り柄であるフィギュアスケートに打ち込む姿を描いた異色のスポ根/青春映画にして、栄光と挫折を繰り返すヒロインとその周囲のホワイト・トラッシュな人物たちの姿を、多少のアイロニーと辛辣なユーモアを交えながら描き、やがて押し寄せる共感の大きな渦に思わず胸いっぱいな気持ちになってしまうという、本当に良く出来たヒューマンドラマ。途中でカットインしてくるクライムストーリー的要素も効果絶大。

中でも、主演のマーゴット・ロビーである。彼女が演じる、傷だらけになりながら、勝利を夢見て突き進むタフなヒロイン像は、余りにも熱く、眩しく、そして繊細。彼女は主演だけでなくプロデュースも兼ねていて、自分が惚れ込んだ企画をこうやって作品的な意味で大成功につなげた彼女の意志の強さにも心から賞賛したい。

そしてヒロインのモーレツな母親を演じたアリソン・ジャネイは、これでアカデミーの助演女優賞を受賞。受賞に大いに納得である。この母親像が相当に強烈なんだが、それに勝るとも劣らない強烈なキャラクターが、ニートのショーンである。その妙ちくりんなファッションセンスといい、絶妙すぎる小物感のオーラといい言動といい、彼は映画史に永遠に刻みつけられるべき存在である。

マーゴット・ロビー自身が演じたというスケーティングシーンが要所要所でインサートされるのだが、スケートリンク全体を躍動するヒロインの姿をダイナミックな動きで追い掛けていくカメラワークがまた、抜群にカッコよくて惚れ惚れしていまう。この映画は傑作。

個人的評価 5点/5点満点


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