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指輪をはめたい、ハードロマンチッカー [映画]

今、勢いにのっている実力派若手俳優2人の主演作。

「指輪をはめたい」
http://www.yubiwa-movie.com/
山田孝之主演。

目が覚めたら病院のベッドの上。目が覚める前の記憶が無い。身に覚えの無い結婚指輪。身に覚えの無いの3人の美女。自分が指輪を渡そうとしていたのはいったい3人のうちの誰?

というシチュエーションに立たされた男の話。

一見、非常に奇抜な設定のロマンチックコメディである。

何しろ、3股をかけていた男が突然記憶を失ってしまった結果、いわば全く知らない3人の美女から日々言い寄られている状況の中で、誰が自分にとって本命だったのかを探ろうとするストーリーなのだから。

ちなみに相手の女優は、
小西真奈美(会社のマドンナ)
真木よう子(陽気で姉御な風俗嬢)
池脇千鶴(地味で一途、公園の紙芝居アーティスト)
それぞれジャストな配役。

主演の山田孝之は、演じる役に入り込んでしまった時の集中力では、他の若手俳優の追随を許さない感がある。
今まで見た中で凄いと思ったのは、テレビドラマの「白夜行」と、映画の「クローズZERO」シリーズだ。
それと最近は主にテレビドラマで、超個性的なオモシロ役を進んで選んで引き受けている様な感が。
この映画では、ぼんやりした若者という主人公のキャラクターを好演。

色んな場面で結構笑えるコメディ映画だが(特に池脇千鶴)、後半の転調を経て、観終わった時に感じる余韻はとてもスイートビター。
何とも言えない感じがとても後を引く。

季節的は冬の映画で、都会生活でよく感じる冬の晴天の空気や空の色が、とても美しく撮れている。

監督・脚本の岩田ユキは、何か聞いた事のある名前だと思ってたら、「檸檬のころ」の監督。

割と設定が適当なので、ダメな人にはダメな映画だとは思う。
俺はかなり好きだ。「檸檬のころ」も結構好き。

評価 4点/5点満点
推定観客数 30人(日曜の午後)


「ハードロマンチッカー」
http://www.hard-roman-ticcer.com/
松田翔太主演。

金髪のオールバックにヒゲという風貌、決して群れず、超短気でトラブルメーカー、ケンカの恐ろしく強い主人公、グー。

彼の後輩(永山絢斗)が起こした殺人事件をきっかけに、さらに自分の場当たりな行動の数々が原因で、やがて町中の不良グループを敵にまわしてしまったグーの日常を描く、ヤンキーもの青春映画。

かなり陰惨な暴力描写が多く、また映画内の女性の扱いがヒド過ぎるので、観る人によっては極めて不快な思いをすると思うし、実際に賛否両論だと思う。

しかし、松田翔太がグーを演じる事によって、彼に元々備わっているファニーな空気感がしばしば映画から漂ってくるのと、No Futureな世界観の中を風の様に駆け抜けていくかの様なグーの不敵な生き様が、このバイオレンス映画を魅力的で叙情的なピカレスク的青春映画に仕立て上げている。

実際に、この映画でグーが取ったいくつかの行動は、観る側の簡単な共感を拒むかの様な強い余韻を残し、映画が終わった後でもその余韻は強く後を引いた。

個人的には、誰がてっぺんか的な格闘エンターテインメント「クローズZERO」ではなく、青春群像讃歌の「パッチギ!」でもなく、それより窪塚洋介の「GO」と表裏一体な作品だと感じた。

在日朝鮮人グループのボス役を努める遠藤要は、独特の存在感があるいい俳優だと思う。この手の役はさすが。
他にも、真木蔵人、渡部篤郎、中村獅童、柄本時生、淡路恵子など、個々の役者も好演。

グーと女子高生との純愛の顛末と、真木蔵人演じる親しいヤクザに託されたある物を巡ってグーが取った一連の行動が、何か胸に突き刺さった。

まず何より映画のタイトルがいい。そしてタイトル負けしない内容だった。
アラもあるのが、惜しい。

評価 4点/5点満点
推定観客数 7人(平日夜のレイト)

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