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オデット [映画]

ポルトガルの新鋭監督、ジョアン・ペドロ・ロドリゲスの2005年の作品。

この映画、非常にざっくり言うと、純愛をテーマに、同性愛と異性愛を倒錯的に絡ませた、ストレンジなメロドラマ。なんですが、ストーリーがイマイチよく分かりません。けど、何だかよく分からないのに、すごく面白い。映画として。

映画の舞台は、おそらく、リスボン。
主人公は、オデットという名前の、若く美しくスラッとした感じの娘。彼女はショッピングモールでバイトしているんだけど、ローラースケートを履いて、それで店内を動き回っている。
そんな彼女が、子供が欲しい・欲しくない、で彼氏と大喧嘩して別れてしまったタイミングで、ルイとペドロというイケメンのゲイ・カップルと出会う。しかも、その片方(ペドロ)は既に死んでいて、遺体と対面。
この出会いが劇的で、化学反応が発生したかのように彼女の中に何かが起こり、生き残ったほうの青年(ルイ)が抱える悲嘆と絶望に、オデットの抱える妊娠願望が重なって、彼女はルイに対して奇矯な一連の行動に出る、というのが映画のあらすじ。

まあでも、ストーリー自体は、よくわからん! クライマックスでは、ほぼ目がテン。
ネットで色々と解説の文章があったので、後でそれを読んだりして。一番なるほど!と目からウロコだったのは、「犬猫」の映画監督である井口奈己による、パンフの寄稿でした。

ヨーロッパの映画祭では知られた存在でも、日本の映画ファンに広く紹介されるのは今年が実質的に初めてという、ジョアン・ペドロ・ロドリゲス監督。
愛と性、死別と生を、家族や親子といった要素も絡めながら描くこの監督の感性は、スペインのペドロ・アルモドバルに非常に近いと思う。(余談だがアルモドバルの「Talk To Her」は、私の映画好きを決定づけた数本のうちの1本なのです。)
自身がゲイであるというアイデンティティに立脚して作品作りしている点、イマジネーション、隠喩、突拍子もない展開やストーリーを好む点、時に性の倒錯が重要な要素としてストーリーにインサートされる点、妖しくて、つい釘付けになってしまう物語としての面白さ...など。
ただ、ストーリーの飛躍のさせ方は、アルモドバルを遙かに凌駕。アルモドバルの映画は、突拍子の無い展開であっても、登場人物の行動に合点がいくのに対し。

感覚が新しい、という事なのだと思う。
今後、日本でも紹介される機会は増えるはず! 期待。

個人的評価 4点/5点満点


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