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NHK 「ザ・レコーディング ASIAN KUNG-FU GENERATION」 [音楽]

NHK・BSの深夜枠で放映された、アジカンのスタジオ・ライブ・プログラム。

タイトルが「レコーディング」だけど、別に彼らのレコーディングの模様をドキュメントする訳ではなくて、RadioheadがBBCでやったような観客無しのスタジオ・ライブ。
でコレが、さすがのNHK音楽班、と素直に賞賛すべき内容だった。

番組の冒頭にて、彼らのことを、”これまでテレビにほとんど出演しなかった” バンドであるというナレーションが入って、言われてみればそうやな、と思った。アジカンは自分の中では超メジャーなバンドという位置付けだったので、無意識的にテレビでの露出もそこそこありそうな気がしてたけど、よく考えればそんなにテレビ、特に地上波の音楽プログラムには出演しないバンドだった。

何よりファンとして評価すべきは、番組の尺を90分間とタップリ取ってくれたこと。
大体こういう1アーティストだけを特集して製作される音楽番組は、30分とか、長くても60分を超えることはない。で、インタビューの時間が割と多くて、演奏する曲の数はせいぜい2〜4曲程度、というのが関の山。
90分間、計17曲。このボリュームたっぷり感、厚遇ぶりは、ちょっと突出している。まず言えるのは、NHK、しかもBSなので、こういう番組編成が可能になったのだと思う。純粋に企画をした人に感謝。

それと、彼らへのインタビューのシーンも入っているけど、演奏シーン以外は極力コンパクト。この、あくまでもライブ・パフォーマンスに特化したシンプルな構成が、稀に見る内容の濃さに結びついている。
インタビューでは、メジャーデビューするまでの苦労や、楽器の音色に関する感覚などが語られ、彼らの素の人となりの一端を、十分垣間見る事が出来る内容だと思う。納得がゆかずに演奏をストップさせるシーンとか。

4人が円周上に90度間隔、内側に向いて、互いが見えるポジショニングで、1曲目「それでは、また明日」から、快調に彼ららしいタイトなセッションが進む。
4曲目か5曲目の割と早いタイミングで披露された超名曲「転がる岩、君に朝が降る」が素晴らしくて、そこからグイっと惹き込まれた感が。まだ、音源が発表される前のタイミングで、一番最初にこの曲を聴いたのは、数年前の四国でのサマーフェスで。その時のライブで、ああオレってアジカンが好きなんやなあ、と実感し、ずっと聴いて行く事になるのだと思ったのだった。

曲によっては、去年のツアーと同じ7人編成で演奏。
4人だけでの演奏とは違う音のバラエティ感が出て、今後もフレキシブルな編成で色々チャレンジを続けて欲しい。ベースの4人でのロック・バンド感をキープしている限り、このバンドは大丈夫だろうって思う。

特に強い印象が残ったのは、去年のツアーでも披露してた「ブルートレイン」7人編成バージョン。これがめちゃくちゃダンサブルでハイスペックな仕上がりぶり。
それとやっぱり、Beck 「Loser」日本語バージョンだろう。曲の感じは原曲のLo-Fi Hip Hopなフレーバーを割と忠実に生演奏で再現しつつ、ゴッチ自身によって編まれた日本語のワードが、投げ付けられる感じにポンポンと放たれてバンドの演奏に拮抗し、そして必殺のサビに収束する感じが、とてもカッコいい。
言葉自体のキレもゴッチのアタック感強めの発声も素晴らしくて、ここ最近の彼の、バンドマンとして足場からのラップへの接近が、本当に見事に結実していると思う。何だかめっちゃ上から目線だなこの文章。

他に曲単位で特に、というのは、4人だけで疾走していくように瑞々しさ満点のロックンロール「藤沢ルーザー」、7人編成による分厚いアンサンブルと、サビに至る高揚感が何だか感動的な「マーチングバンド」、震災後の景色を歌う真摯な歌詞から、まさにアジカンなサビになだれ込む名曲「夜を越えて」、など。

大充実のこのプログラム、最後を飾るのは、メジャーデビューを飾った「未来の破片」。最近、ライブで聴いていない気がするので、ちょっと意外。そして、これぞアジカンって感じで、やっぱり大好きな曲である。

これは永久保存決定。
今後も絶妙なアーティストのセレクションで、新たなNHKの名物音楽プログラムになればいい。
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