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アイアンマン3 / ラスト・スタンド / ファイヤー・ウィズ・ファイヤー [映画]

2013年ゴールデン・ウィーク、映画戦線総括、その1。
悪い奴らは思いっきりぶっ倒す!それが正義!!
そしてスカッとしませう!的な、ハリウッド製アクション・ムービー。

敵を極悪に描く事でクライマックスの主人公の暴力を正当化する、観客もそれを見て大いに胸がスッとする、ていうのは、娯楽映画の常套。
けど、それこそ昨今の中国製ドラマにおける日本兵の描写のように政治的に利用されてしまうと、陰湿で、悪質なものになってしまう。注意しないと。
とりあえず娯楽映画は娯楽映画として、割り切って。

それにハリウッドのビッグ・バジェット映画でアクの強い悪役に抜擢されるのは、俳優にとっては、一つの大きなステータスでもある。
悪役に注目して、この3本を並べます。

「アイアンマン3」

ワタシ的には、シリーズ最高傑作、でありました。
このシリーズにそんなに思い入れの無い私(というか、アメコミ全般にそれほど興味が無い)だったけど、これは普通にとても面白かった。余り映画を観ない人に、特にオススメしたくなる感じ。

何よりも、戦闘シーンのギミック感。今回、パニック障害に陥ったロバート・ダウニーJr.演じる主人公トニー・スターク。ヒーローでも精神疾患にかかる。昨今のアメリカ社会を何気に反映した感じ。
けど、そんな彼が戦闘用に隠し持っている持駒は、実は一気に増えていて、敵(及び観客)のウラをかく仕掛けが満載。そんなん、最初から出せよ、という感じも、無きにしも非ずである。
そして挙句の果ての、グウィネス・パルトロワ。彼女が最高です。

今回の敵役を演じるのは、ガイ・ピアース。もう自分の中では完全に「LAコンフィデンシャル」の人、っていう感じ。
トニー・スタークからかつて受けた屈辱感とコンプレックスを糧に、ついには世界征服を企むに至るまでのし上がった科学者の役で、ある意味で、トニー・スタークと陰陽の存在ということになるのかも。人間らしい心の弱さが、底知れぬ野心と卑劣さに転じてしまったキャラであり、性格俳優の彼にうってつけの役。
そして、彼の子分の役を演じたジェームズ・バッジ・デールが、なかなかふてぶてしい感じで強く印象に残ったのと、出番は少ないけど同じく子分で、女ヒットマンを演じたキレイな女優さんも良かった。(最初、ノオミ・パレスかと思った。)
そして名優ベン・キングズレー! まさに怪演。本当に楽しんでますねえ。

個人的評価 4.5点/5点満点

公式HP
http://www.marvel-japan.com/movies/ironman3/


「ラスト・スタンド」
シュワちゃんの俳優本格復帰作品(「エクスペンダブルズ」があるけど)にて、韓国のキム・ジウン監督の記念すべきハリウッド進出作品。

キム・ジウンはイ・ビョンホン主演のノワール系「甘い人生」や、コリアン・ウェスタン・ムービー「グッド・バッド・ウィアード」が面白かった。特に後者でのスケールのデカい荒唐無稽アクションは、実に感嘆ものだった。日本人監督でこれほどのアクション映画が撮れる人はいないと思う。
ただ、さすがに今回は、大抜擢と言っていいと思う。
で、その期待に応える事に見事成功してます。

シュワルツェネッガーが演じるのは、年老いた片田舎の保安官。
彼が、ちょっと頼んない仲間達(ルイス・グスマンや、Jackassのジョニー・ノックスヴィルなど)と共に、脱獄してメキシコへの逃亡を図る麻薬王とその一味の前に立ち塞がる、というストーリー。
ただシュワちゃんがタダの田舎の老保安官で無いのは、もう完全に明らかで、実はかつてはロス市警のエリートだった、という輝かしい経歴が明かされる事になる。

で、敵キャラの麻薬王が、一見スマートなイケメン風貌ながら、無慈悲で身勝手なヤツで。
演じるのは、スペイン人俳優のエドゥアルド・ノリエガ、という人。麻薬王で、大金持ちで、一流のレース・ドライバーというキャラ設定。夜闇をスポーツカーで爆走しながら、ひたすら国境を目指すのである。こう書くと何だかカッコいいけど。
しかしヤツは運が悪かった。なぜならば、彼の逃亡ルートの終着点である国境の街の保安官が、あのシュワルツェネッガーだったからだ。

まあそんな感じの、単純に愉しめる安心の娯楽作品。
西部劇へのオマージュに満ちた派手なドンパチが、映画の最大の見所。大掛かりでダイナミックなカメラワークのアクションは、この監督の得意とする所であり、クオリティは高いので、頭を空っぽにして楽しめた。

あと、役柄上全く見せ場の無いフォレスト・ウィテカーは、今回は完全に出演損だったかも。

個人的評価 4点/5点満点

公式HP
http://laststand.jp


「ファイヤー・ウィズ・ファイヤー 炎の誓い」
ブルース・ウィルスが出演してますが、彼はこの映画ではアクション皆無です。

何と言っても、この映画の悪役であるギャングのボスが強烈! そのインパクト、凶悪さや禍々しさという意味において、上の2作品の悪役を完全に凌駕してしまっている。
演じたのは、ヴィンセント・ドノフリオ、という人。見た目は普通のメガネかけた小太りのオッサンなんだけど、ドスの利いた声で他人を脅迫しまくり、脅迫するだけでなく有言実行をモットーに?人を殺しまくる、やることなすこと全てにおいて、超コエ〜感じの人。
この俳優さん、調べたら、「フルメタル・ジャケット」の、あの落ちこぼれ太っちょの人。既に名優の地位を確立してる人だった。

主人公は、ブルース・ウィルスではなく、若手売り出し中のジェレミー・コールマン。彼は消防士の役であり、普通の若者の役なんだけど、映画の中で恋人の女刑事から射撃の訓練を受けることで、銃も扱えるようになる。
そんなキャラ設定を生かした、というかキャラ設定ありきの、ストーリー展開でありました。一粒で二つ美味しい、みたいな。
結構、スカッとしました。

公式HP
http://fire-with-fire.com
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