SSブログ

おとぎ話 "New Rose" @ 京都ネガポジ 2017-10-27 [音楽]

2017年、ロックバンドおとぎ話、絶好調な様子。
新譜のリリースはないものの、ワンマン、対バン、地方フェスと、全国各地津々浦々でライブ行脚。それだけ色んな場所から呼ばれるようになった、ということである。彼らはセットリストを毎回SNSで公開していて、見てみると、核となる数曲を除き、毎回毎回セットリストをガラッと変えている(だからセットリストを常に公開できるのだろう)。
こういうバンドが一番好きである。

時代が追い付いたとか、そういうことでは多分なくて、彼らは時代性や流行に関係なく、普通に最初から一貫して良質の音楽を作り出し、演奏し続けていた。その志と成果の積み重ねが、着実なファンベースという形でようやく結実しつつある、ということなんだと思う。
彼らのような音楽を必要としている人達、市場って言い換えてもいいけど、それは絶対に、どこかに必ず存在しているものである。そこに遂に彼らの音楽が届くようになったのではないか。
そしてそんな彼らに寄せられる、様々なアーティストからのフックアップとラブコール。これが呼び水として、いい感じに作用しているように感じる。

この日は東京と京都の二箇所だけの特別なワンマンライブの京都編。
New Roseという名付けられた今回のワンマン、名前の理由はセットリストが消化されていくにつれて明らかになる。会場は、おとぎ話の京都のベースとも言うべきネガポジ。このハコは、かつて、ウーララというライブハウスが存在していた場所で、そのウーララは近隣の別の場所に数年前に移転して今も営業しているが、その跡地に、かつて烏丸丸太町で営業していたネガポジが1年半前に移転してきた、という歴史である。昔のウーララには独特の磁場のような特殊な雰囲気があって、個性的なハコだった(今のウーララも変わらず個性的だけど)。今のネガポジは当時のウーララとレイアウトが同じということもあって、その雰囲気が今でも色濃く残っている気がした。

この日はオープニングアクトとして、ワッツーシゾンビの安里アンリ氏の弾き語りソロ。おとぎ話が活動を開始した時期から東京や大阪で対バンしていた両者の絆が、半分笑い話の形で語られながら(さすが関西人)、シャウト混じりの個性派な歌が披露された。

そして、短いセットチェンジタイムを挟み、おとぎ話のライブ。
優しい感じで徐々にグルーヴしていく「This is just a healing song」が1曲め。パーソナルな名曲「輝き」が続いた。「輝き」といえば、Sakerockの「Kagayaki」も素晴らしい名曲なんだよな〜とちょっと思いつつ(おとぎ話と全く関係ないけど・・・)、これぞおとぎ話流ポップソング「未来の乗り物」、そして「カンフー」・・・「カンフー」ってマジですか! 「カンフー」滅多に演奏されません。この時点で、New Roseという名称の意味に何と無くピンと来た。

Rose Recordから発表された2枚のアルバム「HOKORI」「Big Bang Attack」、この2枚は、これこそおとぎ話な・・・というよりも、これこそ有馬ソングライティングな、充実作の2枚なんですが、一部の数曲を除き、最近のライブで殆ど披露されない曲ばかりの、なんか不遇のアルバムなのである。その2枚のアルバムを全曲演奏しよう!というのが、この日のライブ「New Rose」の主旨、という訳でした。

よってその後もレア曲ばかり、マニアであればあるほど嬉しくて仕方がない演奏会と化したこの日。
有馬氏のボーカルは絶好調、牛尾氏のギターはキレッキレで変幻自在、ギターソロでは鳥のように気ままに空を飛び、着地は内村航平のようにビシッと決めてくる。特にここ数年の彼の進境ぶりは目覚ましいと思う。そしてそんな2人のフロントマンのバックで、黙々とグルーヴを奏で続ける2人のリズム隊の佇まいがまた、本当に素晴らしい。リズム隊あってのフロントであり、4人が一つになって音を奏でていく姿は、本当にグッとくる。かつてのミッシェルガンエレファントであり、ナンバーガールであり、銀杏Boyzであり、Sakerockである。

ライブで聴きたかったレアナンバーの数々が、抜群の演奏力とアップデートされたアレンジによって、立て続けに披露され続けていくこの日のライブは、私が拝見した彼らの近年のライブの中でも、1、2を争う満足度。中でも個人的に嬉しかったのは、「Animal」であり、「History」であり、「フランス」であり、「MOTHER」であり、「思春期」であり、「シンデレラ」「weekend」「1981」のメロウナンバーであり、「科学くん」であり・・・。「思春期」のVampire Weekendなイントロは最高だったし、「科学くん」のシューゲイザーなギターは終わりがあるからこそ永遠を感じた。

とっておきのダンスポップナンバー「ピーターラビット」から、「STAR SHIP」「Satellite League」「Gang Style No.1」とライブ映えするロックナンバーでピークタイムを迎え、「THANK YOU」でキレイにまとめる形で本編終了!
こちらこそサンキューな、いや〜感無量! 大満足。今回の演奏会に立ち会うことが出来て本当に良かった。

アンコールでは、エンケンさんに捧げる「不滅の男」のカバー。そして、代表曲である「Cosmos」「ネオンBoys」の2曲がチョイスされて、この日のライブは幕を閉じたのでした。


nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

ヘッド・ショット南瓜とマヨネーズ ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。