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2018年 映画ベスト10+α [映画 年間ベスト]

2018年も最初の2-3か月だけブログ更新して後は何も書けない状態で過ぎてしまった。
それなりに生きてました。仕事もそれなりに頑張った。そして例年に負けず劣らず、映画や音楽がもたらす大きな感動に出会うことができた1年ではありました。

という訳で、年末年始に限ってゾンビのごとく蘇るこのブログ。
2018年に観た映画のマイベスト10+α。この時期、色んな人の年間ベスト10を見るのは面白いですよね。

1位 「スリー・ビルボード」 監督:マーティン・マクドナ
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ラスティベルトを舞台に、今のアメリカ全土を覆う分断、そしてアメリカ社会に潜む暴力というマグマを、本作は洗練された(そして時に野蛮な)語り口で見事に描き出す。メインの3人がまず素晴らしいし、脇役の人たちも注目株がズラリ。

2位 「寝ても覚めても」 監督:濱口竜介
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主演の二人がいいし(特に東出昌大)、脇の人たちも軒並み素晴らしいし(上と同じこと書いてる)、序盤から中盤のストーリーの展開も素晴らしい。しかし何といっても終盤の怒涛。鷲掴みされてしまった。これぞ映画的な跳躍、ってやつです。

3位 「夏の鳥」(ラテンビート映画祭) 監督:クリスティナ・ガジェゴ、シーロ・ゲーラ
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ラテン世界の注目すべき俊英の新作が集結した今年のラテンビート映画祭は収穫多し。中でも私の中で頭抜けていたのは、「彷徨える河」(←傑作!数年前の個人的ベストワン作品)のシーロ・ゲーラが手掛けた本作。端的に言えば、70年代のコロンビアの先住民地域を舞台とする、マジックレアリスム的世界観に彩られた麻薬マフィア一大叙事詩。

4位 「教誨師」 監督:佐向大
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観るまでは、正直、重いけど地味な感じの映画かなあ、と思っていたのだけど・・・教誨師と6人の死刑囚の対話を触媒に、現在と過去、現実と非現実の間のボーダーをひょいと跨ぎ越え(極めて映画的な手法で)、そうして人間性の深淵に静かに迫っていく、ヘビーな傑作。本作が最後の主演作となった大杉漣、彼は映画に選ばれた人だと思った。

5位 「アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル」 監督:クレイグ・ギレスピー
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スケーティングシーンのダイナミックなカメラワーク。ホワイトトラッシュな人間模様の中に流れる過酷な現実と乾いたユーモア。傷だらけでも夢に向かって全力で突き進む主人公の愛おしすぎる人物造形。

6位から10位は並立として。観たもん順です。

「悪女 AKUJO」 監督:チョン・ビョンギル
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この映画で格闘アクションというジャンルの究極まで行き着いたと思います。とにかく長回しでアクロバティックなバイオレンスアクションに全身の血液が沸騰。韓国映画ってほんまにすごい。

「ナチュラル・ウーマン」 監督:セバスティアン・レリオ
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恋人の死をきっかけとして、いわれなき差別に直面するトランスジェンダーの女性の一種の冒険を描いたチリの映画。映画ならではの映像表現、苦しくても快活さを失わないヒロインの造形。今年のLGBT映画では個人的ナンバーワン。

「ビューティフル・デイ」 監督:リン・ラムジー
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構図がいちいちバッチリ決まってるカットの積み重ねの中に、熊のような容姿のホアキン・フェニックスが重たいバイオレンスを炸裂させる、緊張感抜群のクライム・サスペンス。

「カメラを止めるな」 監督:上田慎一郎
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とにかく面白い、そしてその面白さの理由を人に説明できない(ネタバレになるから)。四の五の言わずに、映画マニアにも映画全然観ない人にもオススメな1本。
社会現象まで巻き起こした本作の大ヒットは、暗いニュースの多かった2018年の中で、実に愉快痛快でした。

「ウインド・リバー」 監督:テイラー・シェリダン
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「スリービルボード」が無ければ、本作がベスト5に入ってました。映画版「ファーゴ」のような大雪原を舞台にした、現代の一種の西部劇。締まったストーリー展開に、寡黙な主演ジェレミー・レナーとの相性もバツグン。

次点クラス!

「ちはやふる 結び」
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これぞ日本が誇るべき、正統派スポ根/青春映画の会心作。注目若手俳優が集結したキャスト陣も最高。

「ダウンサイズ」
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極めてユニークな設定のヒューマン系SF映画。最終的な着地点も本当にユニーク。

「ネルーダ 大いなる愛の逃亡者」
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自由を愛する詩人と国家権力の犬、追われる男と追う男。二つの対照的な魂の間に生まれる微かな共鳴。こんな良質のラテン映画がこれからもどんどん日本で公開してもらいたい。

「ボヘミアンラブソディ」
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天才の光と影、という古典的なモチーフ、プラス、ライブシーンで押し寄せる感動と鳥肌。
それにしてもクイーンの楽曲の日本人への浸透具合は改めて凄いなあと思ったりもした。

「彼が愛したケーキ職人」
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イスラエル発の大人のラブストーリー。民族的遺恨やジェンダーの溝を埋めるために、一体何が必要なのか、その案外シンプルな答えを本作は静かに提示する。


他には、
日本映画では「坂道のアポロン」「恋は雨上がりのように」「霊的ボリシェヴィキ」「海を駆ける」「万引き家族」「きみの鳥は歌える」「泣き虫しょったんの奇跡」「SOUNDS LIKE SHIT the story of Hi-STANDARD」

外国映画では「ジュピターズ・ムーン」「レディプレイヤーワン」「さよなら、僕のマンハッタン」「アヴェンジャーズ インフィニティ・ウォー」「ブリグズビー・ベア」「ランペイジ巨獣大乱闘」「ミッションインポッシブル/フォールアウト」「ボルグ/マッケンロー」「ライ麦畑で出会ったら」「テルマ」「メアリーの総て」などなど。

2018年も割と洋・邦両方で豊作の一年でした。
MARVELものは割と飽き飽きしてたんだけど、今回のアヴェンジャーズは本当にワクワクでした。そしてトム・クルーズ。彼にはもはやリスペクトの念しか起こらない。
一方で、アジア映画は、今年はさほど、って感じでした。韓国の社会派力作(タクシー運転手とか、1987とか)には唸りましたけど。個人的には中南米映画に当たりが多くて、これからも楽しみです。

俳優部門では、男性では「寝ても覚めても」東出昌大。彼の演技は個性的で、その個性というか素材を生かした作品にも非常に恵まれている印象。「寄生獣」とか「散歩する侵略者 予兆」とか。「寝ても覚めても」はその究極で、異星人っぽいイケメン/朴訥なイケメンの両方がどハマリ。

他には、「アイ、トーニャ」のちんちくりんを演じたポール・ウォーター・ハウザー。そして言わずと知れた、ドウェイン・ジョンソン、トム・クルーズ。この二人は今年に限った話ではないが。
「ボルグ/マッケンロー」のシャイア・ラブーフも素晴らしかった。

女優さんでは「アイ、トーニャ」のマーゴット・ロビー。主演だけでなくプロデュースもこなし、この作品にまさしく全身全霊を傾けているのが伝わってきた。欠点の多いヒロインに思わず共感してしまったのも彼女の人物造形ゆえだったと思う。

他には「坂道のアポロン」「恋は雨上がりのように」「来る」どれもが好演の小松菜奈。
それと、「ナチュラルウーマン」ダニエラ・ベガ。

次はマイベストアルバムのブログに取り掛かりたい。できれば休みのうちに。


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