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愛がなんだ [映画]

今泉力哉監督の最新作は、すっかり人気者になった岸井ゆきのと成田凌を主演にフィーチャーした、しかし今泉監督らしい脱力感と脱線感が楽しくて仕方がない作品だった。ついに、メジャーな人気俳優を起用しての、ミニシアターだけでなくシネコンでもかかる商業映画に打って出た感。原作が角田光代っていうのも大きい。まあ前作の「パンとバスと二度目のハツコイ」もシネコンでかかってたけど。ただ、インディ系でもメジャー系でも、彼の軽妙な脱臼恋愛映画のテイストは変わらず、一貫している。変に老成せず。どの作品も結構好きである。

「パンとバスと〜」での主演が光っていた深川麻衣が、本作では岸井ゆきのの親友を演じていて、魔性キャラを好演してます。「まんぷく」でついに!って感じですが、岸井ゆきのも深川麻衣もお茶の間に浸透し、これからの活躍も期待。深川麻衣は深夜ドラマの「日本ボロ宿紀行」も持ち味を出し切っていて良かったです。(売れない中年演歌歌手を演じた高橋和也も最高。)

とにかく本作では、出演俳優たちの好演が光っていた。成田凌はこういう役をさせたらピカイチですね。岸井ゆきのは、別の女優さんがこの役を演じてたらもっと腹にもたれる感じになったと思うけど、彼女の陽性で上手いこと中和されていた。それと特筆すべきは江口のりこ。ヤサグレ感がただ事では無く、絶妙なアクセントをストーリーにもたらしていました。大体どの作品でも彼女は爪痕を残す。

軽妙でいながら、妙にディープ。これぞ今泉監督。それにしても本作は、恋愛映画として観た場合、人によっては拒絶反応を起こすかも。私はとにかく映画としておもしろければそれでいい、っていうタイプなので。本作でも色々と楽しませる仕掛けがあって、純粋に面白かったです。
日本のウディ・アレン。

個人的評価 : 4.5点/5点満点

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