ギリシャ一人旅 その3 二日目 スパルタ、ミストラ [ギリシャ旅行の記録 2012年8月]
2012/8/12 Sun
コリントス市のEphira Hotelを朝早く出た。
フロント・スタッフは昨日のナイスガイとは別の男性だったけど、この人も丁寧に行き方を教えてくれた。
ホテルのそばのバス停から、コリントス運河(コリントス・カナル)のそばにある長距離バスターミナルに行く。
そこで、ミケーネ行きのバスもスパルタ行きのバスもある。
この日は当初は、ミケーネ遺跡の観光と、スパルタ近郊のミストラ遺跡観光、を当初は計画していた。
宿泊は、スパルタのホテルを既に予約済みである。
ミケーネは、コリントスとスパルタの中間位置近辺に位置している。
高校の世界史で習った、ミケーネ文明の遺跡がある。(その程度の知識しか、無い)
目論見としては、バスを使って、コリントス → 午前中ミケーネ遺跡の観光 → 昼過ぎにスパルタ市に到着、で、午後はスパルタとミストラの往復、という感じだった。
このプランのポイントは、ミケーネ→スパルタというバスのルートが存在しているかどうか?
これが、出発前に色々とネットで調べても、よくわからない。
第一、肝心の、KTEL(ギリシャの長距離バス)の時刻表がネットに載っていないのだ。
出たとこ勝負というか、行ってみてから最終的に決める、という感じだった。
ちなみに、ネット上で非常に多い意見は、「ペロポネソス半島は、レンタカーで回れ!」というもの。
(全くもって、その通りでした...。)
さて、コリントス運河のバスターミナルで、チケットカウンターのお姉さんにミケーネとスパルタに行きたいと相談するが、チケットを購入する旅行者達が次から次へとやってくる忙しさで、落ち着いて話ができない。
当初考えていた、ミケーネから直接スパルタに向かう、というルートはどうやら難しそう。
もしミケーネに行けば、このコリントス運河のバスターミナルに一旦戻って来る必要があるようだった。
結局、土壇場で、ミケーネはあきらめ、スパルタにすぐに向かう事を即断。
スパルタ行きのチケットを購入。12.9ユーロ。
バスターミナルの外に出て、スパルタ行きのバスを待っていると、先ほどのカウンターのお姉さんが大慌てで出て来て、目の前に止まっていたバスを指さして、「そのバス!そのバス!」とのこと。
スパルタ、って全然書いてないやん!!
大慌てでバスに乗り込んだ。
バスは1時間ほどハイウェイを走って、トリポリのバスターミナルに停車。10分ほど休憩。
また1時間ほど走ってスパルタのバスターミナルに到着。
そこがスパルタ市と分らず。人に聞いて分かった。
さて、スパルタに到着した。
早速、ミストラ遺跡に行こうとするも、ミストラ行きの次のバスは12時台で、90分ほど時間が余った。
そこで、徒歩5分ほどの距離にあるスパルタの博物館に向かうことにした。
博物館まで歩く道、日曜の正午前、スパルタの町を歩いている人は意外と少ない。
それなりに瀟洒な街だけど、なんだかのんびりしている。落ち着ける。
ほんと、山に囲まれた、中規模の地方都市、という感じ。
かつての強大な軍事都市国家の面影は、その名前の他には残っていない。
スパルタ博物館で、古代ギリシャ時代の彫像や様々な出土品を鑑賞。
中は狭く、ねばっても20分程度で全部見終わる。
それから、ああそうだ、荷物置こう、と、予約していたLakonia Hotelに向かった。
このホテルはスパルタを東西に走るメインストリートに位置していた。
チェックインしてリュックを部屋に置き、バスターミナルに戻って、ミストラ行きのバスに乗る。
バスの運転手は、ミストラ遺跡のことを、「カッスル(castle)、カッスル」と言っていた。
スパルタ市からバスで15分程度(1.6ユーロ)、世界遺産にも登録されているミストラ遺跡は、スパルタの西側の丘陵地帯に位置している。
中世ビザンツ帝国時代に繁栄した都市で、当時の遺跡が非常に良い状態で保存されているという。
入場料 5ユーロ。
実際に行ってみると、山の斜面にへばり付いているような遺跡で、下から上を見上げると、強い日差しの中、山の中腹にそれらしい古びた石造りの壁や建物なんかが多数。
山の頂上には城壁が見える。
この遺跡の見学は、半分、登山だった。面積も広く、あちこちに遺跡の建物が残っているので、炎天下のなか、山の斜面を歩き回る事になる。
ちなみに入り口の受付の男性から、この日は午後3時で門を閉めるという説明が。日曜日だから。
もしも今日の午前中にミケーネ遺跡に行っていれば、このミストラ遺跡には今日は確実に入れなかった事になる。
特に見物だったのは、修道院などの宗教施設の遺構だ。
どの建物も、ほぼ当時の状態で保存されていて、強い日差しを避ける様にひんやりとした内側に入ると、薄暗い中、やや色褪せた状態の宗教画(多分、フレスコ画だと思う)が壁面のそこかしこに描かれている。
山の斜面に、こんな建物が何軒も良い状態で残存して建っている。修復の手は入っているに違いないけど。
そして中に入ると、例えば、こんな感じ。
ちなみに写真撮影はオッケーでも、フラッシュは壁画にダメージが残るので厳禁。
ネコ。
もう、山の中腹。結構な高さまで登って来た。
せっかく来たんで、山の頂上を目指す。
続く
コリントス市のEphira Hotelを朝早く出た。
フロント・スタッフは昨日のナイスガイとは別の男性だったけど、この人も丁寧に行き方を教えてくれた。
ホテルのそばのバス停から、コリントス運河(コリントス・カナル)のそばにある長距離バスターミナルに行く。
そこで、ミケーネ行きのバスもスパルタ行きのバスもある。
この日は当初は、ミケーネ遺跡の観光と、スパルタ近郊のミストラ遺跡観光、を当初は計画していた。
宿泊は、スパルタのホテルを既に予約済みである。
ミケーネは、コリントスとスパルタの中間位置近辺に位置している。
高校の世界史で習った、ミケーネ文明の遺跡がある。(その程度の知識しか、無い)
目論見としては、バスを使って、コリントス → 午前中ミケーネ遺跡の観光 → 昼過ぎにスパルタ市に到着、で、午後はスパルタとミストラの往復、という感じだった。
このプランのポイントは、ミケーネ→スパルタというバスのルートが存在しているかどうか?
これが、出発前に色々とネットで調べても、よくわからない。
第一、肝心の、KTEL(ギリシャの長距離バス)の時刻表がネットに載っていないのだ。
出たとこ勝負というか、行ってみてから最終的に決める、という感じだった。
ちなみに、ネット上で非常に多い意見は、「ペロポネソス半島は、レンタカーで回れ!」というもの。
(全くもって、その通りでした...。)
さて、コリントス運河のバスターミナルで、チケットカウンターのお姉さんにミケーネとスパルタに行きたいと相談するが、チケットを購入する旅行者達が次から次へとやってくる忙しさで、落ち着いて話ができない。
当初考えていた、ミケーネから直接スパルタに向かう、というルートはどうやら難しそう。
もしミケーネに行けば、このコリントス運河のバスターミナルに一旦戻って来る必要があるようだった。
結局、土壇場で、ミケーネはあきらめ、スパルタにすぐに向かう事を即断。
スパルタ行きのチケットを購入。12.9ユーロ。
バスターミナルの外に出て、スパルタ行きのバスを待っていると、先ほどのカウンターのお姉さんが大慌てで出て来て、目の前に止まっていたバスを指さして、「そのバス!そのバス!」とのこと。
スパルタ、って全然書いてないやん!!
大慌てでバスに乗り込んだ。
バスは1時間ほどハイウェイを走って、トリポリのバスターミナルに停車。10分ほど休憩。
また1時間ほど走ってスパルタのバスターミナルに到着。
そこがスパルタ市と分らず。人に聞いて分かった。
さて、スパルタに到着した。
早速、ミストラ遺跡に行こうとするも、ミストラ行きの次のバスは12時台で、90分ほど時間が余った。
そこで、徒歩5分ほどの距離にあるスパルタの博物館に向かうことにした。
博物館まで歩く道、日曜の正午前、スパルタの町を歩いている人は意外と少ない。
それなりに瀟洒な街だけど、なんだかのんびりしている。落ち着ける。
ほんと、山に囲まれた、中規模の地方都市、という感じ。
かつての強大な軍事都市国家の面影は、その名前の他には残っていない。
スパルタ博物館で、古代ギリシャ時代の彫像や様々な出土品を鑑賞。
中は狭く、ねばっても20分程度で全部見終わる。
それから、ああそうだ、荷物置こう、と、予約していたLakonia Hotelに向かった。
このホテルはスパルタを東西に走るメインストリートに位置していた。
チェックインしてリュックを部屋に置き、バスターミナルに戻って、ミストラ行きのバスに乗る。
バスの運転手は、ミストラ遺跡のことを、「カッスル(castle)、カッスル」と言っていた。
スパルタ市からバスで15分程度(1.6ユーロ)、世界遺産にも登録されているミストラ遺跡は、スパルタの西側の丘陵地帯に位置している。
中世ビザンツ帝国時代に繁栄した都市で、当時の遺跡が非常に良い状態で保存されているという。
入場料 5ユーロ。
実際に行ってみると、山の斜面にへばり付いているような遺跡で、下から上を見上げると、強い日差しの中、山の中腹にそれらしい古びた石造りの壁や建物なんかが多数。
山の頂上には城壁が見える。
この遺跡の見学は、半分、登山だった。面積も広く、あちこちに遺跡の建物が残っているので、炎天下のなか、山の斜面を歩き回る事になる。
ちなみに入り口の受付の男性から、この日は午後3時で門を閉めるという説明が。日曜日だから。
もしも今日の午前中にミケーネ遺跡に行っていれば、このミストラ遺跡には今日は確実に入れなかった事になる。
特に見物だったのは、修道院などの宗教施設の遺構だ。
どの建物も、ほぼ当時の状態で保存されていて、強い日差しを避ける様にひんやりとした内側に入ると、薄暗い中、やや色褪せた状態の宗教画(多分、フレスコ画だと思う)が壁面のそこかしこに描かれている。
山の斜面に、こんな建物が何軒も良い状態で残存して建っている。修復の手は入っているに違いないけど。
そして中に入ると、例えば、こんな感じ。
ちなみに写真撮影はオッケーでも、フラッシュは壁画にダメージが残るので厳禁。
ネコ。
もう、山の中腹。結構な高さまで登って来た。
せっかく来たんで、山の頂上を目指す。
続く
ギリシャ一人旅 その2 一日目 コリントス遺跡 [ギリシャ旅行の記録 2012年8月]
ここで、今回のギリシャ旅行の旅程計画を。
一日目
アテネ空港からコリントスに直行。コリントス遺跡の見学。初日なんで、あまり欲張らない。
二日目
コリントスを朝早く出発し、路線バスを乗り継ぎながら、ミケーネ遺跡を見学して、スパルタ。スパルタ近郊のミストラ遺跡を見学。スパルタの遺跡も見学/スパルタ泊
(結論から言えば、このスケジュールは無理だった。地理感の無い場所で、私にような初心者トラベラーにはちとハードルが高い行程だった。)
三日目
バスでモネンヴァシア/モネンヴァシア泊
四日目
移動日&予備日。モネンヴァシアからアテネに移動。今回アテネには空港以外、用は無い。
二日目と三日目で行けなかった場所があれば、この日に行く。
夜の便でアテネからクレタ島に飛ぶ。/イラクリオン泊
五日目
イラクリオン近郊のクノッソス遺跡観光、プラスアルファ、適当に。
ハニアに移動。/ハニア泊
六日目
多分、サマリア渓谷トラッキング。/ハニア泊
七日目
ハニア観光、レジムノ観光、移動。/イラクリオン泊
最終日
朝6時のフライトでイラクリオンからアテネに移動。そのまま帰国。
2012/8/11 Sat
さて、アテネに到着した私。
空港から列車で直接コリントスに向かった。
空港と道路を挟んで向こう側、駅の切符売り場のオバサンが、凄い無愛想。愛想笑いもない。
コリントスはペロポネソス半島の入り口に位置する街で、古代ギリシャ時代の大規模な遺跡が有名。
切り立つ岩壁と岩壁の隙間を突き抜けていくように直線的に掘られた、コリントス運河も有名。
アテネの空港からコリントスまで1時間程度で到着。
コリントス駅の直前、コリントス運河を車窓から眺める。
想像していたよりも、コリントス運河はなかなかの絶景だった。しかし列車で通過すると一瞬だった。
コリントス駅に到着すると、改札を抜けた駅前にはタクシーターミナルと駐車場以外に何も無い風景。そこはコリントスの街外れに位置しているのだった。
タクシー待ちのベンチに腰掛けて休憩中のタクシーの運転手に声をかけ、ネットで予約していた市中のホテルまで送ってもらう。
車中で、今日一日のガイドの申し出を受けるが、とにかく一度ホテルで落ち着きたかったのでお断りした。
今日は土曜日だからコリントス遺跡のミュージアムは3時まで、との情報ももらったが、遺跡を見れたら、併設のミュージアムは別に見れなくてもいいや、という感じで聞き流す私。
予約していた、コリントス市内のEphira Hotelにチェックイン。
何はともあれシャワーを浴び、テレビを付ける。ロンドンオリンピックの競歩を実況中。
2時過ぎにホテルを出た。
(このホテルは便利が良い。バス停がホテルのすぐそばなのだ。)
コリントス遺跡までバスで行こうとするも、バス停の案内はギリシャ語表記オンリーで全然分からない。
ここで、心細そうに右往左往する東洋人の旅人を見かねて助けてくれたのが、Ephira Hotelのフロントの兄ちゃん。
ホテルに戻って「オールド・コリントスに行きたいけど、どのバスに乗ればいいのか分からない。」と言う私に対し、「は? アルヘア・コリントスの事か? (私が分かってないと見るや否や言い直して) エンシェント・コリントスの事か? (つまり、古代コリントスはold コリントスではなく、英語ならancient コリントスと言うべきなのだ) よしよし、教えたる!」という感じで、丁寧に説明してくれる。
さらに、バス停の前まで来て、全然違うバスに乗ろうとする私(←馬鹿)を制止。
そして、正しいバスの運転手に「コイツを遺跡の前で降ろしたって。あと、帰りのバスは何時? 5時? わかった、ありがとう。(ギリシャ語、よって半分想像)」て感じで何から何まで話を付けてくれたのだった。
このナイスガイに素直に感謝の念を表明し、バスに乗り込んだのだった。
(恩人だったけど、シフトの関係だろう、その後このナイスガイとホテルで会う事は無かった。)
ギリシャに到着しての最初の目的地、コリントス遺跡についに到着した。
腕時計を見ると、3時5分過ぎ。
バスの運転手に指差してもらった方向に、少し道を下る。
さきほどの駅から宿までのタクシーの運転手の情報通り、到着した3時過ぎには既に門が閉じていた。ミュージアムの建物ではなくて、遺跡内に入る門の入口が。
どうやら、ミュージアムが遺跡に併設されているのではなくて、遺跡自体をミュージアムと呼ぶらしい。
という訳で、旅の初日でいきなり、目的地を目の前に、そこに辿り着けない事態が発生。
いや、鉄柵越しに遺跡を眺める事は出来たので、別にいいんだが。
しかも遺跡の奥の山の方を見ると、山の向こうの空が雲で真っ黒。ゴロゴロ鳴っているし。
15分後。
土砂降り。スコールってやつか?
遺跡のそばに何軒か立っているレストランの内の一軒で、ビールを飲みながら雨をやり過ごす。
外は本降り。夏のギリシャの降水量はとても低い、てガイドブックにも書いてあったんだが。
近所の年老いた野良犬どもと一緒にしばし雨宿り。
店員の兄ちゃんが犬を追っ払おうとするんだけど、中にはのらりくらりかわしながら居ついてそっと静かに座り込む奴もいる。
町に帰るバスの時間の頃には、雨は小降りになった。
バスに一人で乗れない、着いたら遺跡は閉まってた、しかも雨に降られる。
初日でいきなり今後の展開が大いに危ぶまれた。
晩ご飯は、コリントス市の浜辺沿いにある家族経営の小さな食堂に適当に入った。
何が食べたい?と聞かれて、ビールと野菜と魚、と答えたら、キッチンに連れて行かれ、どの魚がいい?と。一番大きそうなのを選ぶ。
焼き魚は、シンプルに魚とレモンを振っているだけで美味しかったけど、Greek Saladは一人で食べきれないほどのボウル一杯の量で、半分以上残してしまった。
今日の結論
遺跡は場所によっては、3時でクローズすることもある。
その事を念頭に入れてスケジュールを立てること。
一日目
アテネ空港からコリントスに直行。コリントス遺跡の見学。初日なんで、あまり欲張らない。
二日目
コリントスを朝早く出発し、路線バスを乗り継ぎながら、ミケーネ遺跡を見学して、スパルタ。スパルタ近郊のミストラ遺跡を見学。スパルタの遺跡も見学/スパルタ泊
(結論から言えば、このスケジュールは無理だった。地理感の無い場所で、私にような初心者トラベラーにはちとハードルが高い行程だった。)
三日目
バスでモネンヴァシア/モネンヴァシア泊
四日目
移動日&予備日。モネンヴァシアからアテネに移動。今回アテネには空港以外、用は無い。
二日目と三日目で行けなかった場所があれば、この日に行く。
夜の便でアテネからクレタ島に飛ぶ。/イラクリオン泊
五日目
イラクリオン近郊のクノッソス遺跡観光、プラスアルファ、適当に。
ハニアに移動。/ハニア泊
六日目
多分、サマリア渓谷トラッキング。/ハニア泊
七日目
ハニア観光、レジムノ観光、移動。/イラクリオン泊
最終日
朝6時のフライトでイラクリオンからアテネに移動。そのまま帰国。
2012/8/11 Sat
さて、アテネに到着した私。
空港から列車で直接コリントスに向かった。
空港と道路を挟んで向こう側、駅の切符売り場のオバサンが、凄い無愛想。愛想笑いもない。
コリントスはペロポネソス半島の入り口に位置する街で、古代ギリシャ時代の大規模な遺跡が有名。
切り立つ岩壁と岩壁の隙間を突き抜けていくように直線的に掘られた、コリントス運河も有名。
アテネの空港からコリントスまで1時間程度で到着。
コリントス駅の直前、コリントス運河を車窓から眺める。
想像していたよりも、コリントス運河はなかなかの絶景だった。しかし列車で通過すると一瞬だった。
コリントス駅に到着すると、改札を抜けた駅前にはタクシーターミナルと駐車場以外に何も無い風景。そこはコリントスの街外れに位置しているのだった。
タクシー待ちのベンチに腰掛けて休憩中のタクシーの運転手に声をかけ、ネットで予約していた市中のホテルまで送ってもらう。
車中で、今日一日のガイドの申し出を受けるが、とにかく一度ホテルで落ち着きたかったのでお断りした。
今日は土曜日だからコリントス遺跡のミュージアムは3時まで、との情報ももらったが、遺跡を見れたら、併設のミュージアムは別に見れなくてもいいや、という感じで聞き流す私。
予約していた、コリントス市内のEphira Hotelにチェックイン。
何はともあれシャワーを浴び、テレビを付ける。ロンドンオリンピックの競歩を実況中。
2時過ぎにホテルを出た。
(このホテルは便利が良い。バス停がホテルのすぐそばなのだ。)
コリントス遺跡までバスで行こうとするも、バス停の案内はギリシャ語表記オンリーで全然分からない。
ここで、心細そうに右往左往する東洋人の旅人を見かねて助けてくれたのが、Ephira Hotelのフロントの兄ちゃん。
ホテルに戻って「オールド・コリントスに行きたいけど、どのバスに乗ればいいのか分からない。」と言う私に対し、「は? アルヘア・コリントスの事か? (私が分かってないと見るや否や言い直して) エンシェント・コリントスの事か? (つまり、古代コリントスはold コリントスではなく、英語ならancient コリントスと言うべきなのだ) よしよし、教えたる!」という感じで、丁寧に説明してくれる。
さらに、バス停の前まで来て、全然違うバスに乗ろうとする私(←馬鹿)を制止。
そして、正しいバスの運転手に「コイツを遺跡の前で降ろしたって。あと、帰りのバスは何時? 5時? わかった、ありがとう。(ギリシャ語、よって半分想像)」て感じで何から何まで話を付けてくれたのだった。
このナイスガイに素直に感謝の念を表明し、バスに乗り込んだのだった。
(恩人だったけど、シフトの関係だろう、その後このナイスガイとホテルで会う事は無かった。)
ギリシャに到着しての最初の目的地、コリントス遺跡についに到着した。
腕時計を見ると、3時5分過ぎ。
バスの運転手に指差してもらった方向に、少し道を下る。
さきほどの駅から宿までのタクシーの運転手の情報通り、到着した3時過ぎには既に門が閉じていた。ミュージアムの建物ではなくて、遺跡内に入る門の入口が。
どうやら、ミュージアムが遺跡に併設されているのではなくて、遺跡自体をミュージアムと呼ぶらしい。
という訳で、旅の初日でいきなり、目的地を目の前に、そこに辿り着けない事態が発生。
いや、鉄柵越しに遺跡を眺める事は出来たので、別にいいんだが。
しかも遺跡の奥の山の方を見ると、山の向こうの空が雲で真っ黒。ゴロゴロ鳴っているし。
15分後。
土砂降り。スコールってやつか?
遺跡のそばに何軒か立っているレストランの内の一軒で、ビールを飲みながら雨をやり過ごす。
外は本降り。夏のギリシャの降水量はとても低い、てガイドブックにも書いてあったんだが。
近所の年老いた野良犬どもと一緒にしばし雨宿り。
店員の兄ちゃんが犬を追っ払おうとするんだけど、中にはのらりくらりかわしながら居ついてそっと静かに座り込む奴もいる。
町に帰るバスの時間の頃には、雨は小降りになった。
バスに一人で乗れない、着いたら遺跡は閉まってた、しかも雨に降られる。
初日でいきなり今後の展開が大いに危ぶまれた。
晩ご飯は、コリントス市の浜辺沿いにある家族経営の小さな食堂に適当に入った。
何が食べたい?と聞かれて、ビールと野菜と魚、と答えたら、キッチンに連れて行かれ、どの魚がいい?と。一番大きそうなのを選ぶ。
焼き魚は、シンプルに魚とレモンを振っているだけで美味しかったけど、Greek Saladは一人で食べきれないほどのボウル一杯の量で、半分以上残してしまった。
今日の結論
遺跡は場所によっては、3時でクローズすることもある。
その事を念頭に入れてスケジュールを立てること。
ギリシャ一人旅 その1 出発 [ギリシャ旅行の記録 2012年8月]
今年の夏は、入社して十数年経過して、初めての9日間もの長期夏季休業となったので、思い切って海外を一人旅する事にした。
どの国にしようか?
最終的にギリシャに決めた。何か知らんが、クレタ島にずっと行ってみたかったのだ。
ヨーロッパ文明の源流。
半牛半人の怪物ミノタウロスとラビリンスの神話。
そんな漠然としたイメージしかないのだが。
クレタ島にずっとステイする事も考えたが、時間をもてあましそうだったので、色々他にも行きたい地域があったのだが、ペロポネソス半島を見て回る事にした。
かつての強大な軍事都市国家スパルタが位置していて、今は「ヨーロッパの偉大なる田舎」と言われている地域である。
これは、大学の時に読んだ沢木耕太郎「深夜特急」で、香港からポルトガルまで旅をする主人公が、スパルタの遺跡を前に感慨にふけっていたのが、結構印象に残っていたので。
アテネを起点にする形で、旅の前半をペロポネソス半島、後半にクレタ島、というルートに決定。
こうした旅のプランニングの詳細を固める前に、お盆休みのハイシーズンなので航空券だけは先に押さえておく必要があり、4月後半にはアテネ行きのチケットを購入した。
一番安かった中国国際航空(China Air)で。
他のヨーロッパ系エアライン、あるいはトルコ航空やエミレーツ航空などと比較して、China Airは大体1/2~2/3程度の価格で非常にリーズナブル。
しかしネット情報では、中国系の航空会社は結構評判が悪いのが判明。
「添乗員が横柄」「乗客がうるさくて寝れない/マナーが悪い」「自分の座席に別の乗客が座ってて、仕方無くそいつの席に移った」「トイレが詰まって故障」(←飛行機でそんなんアリかよ)などなど...。
実は今回の旅の、不安点の一つだった。
結論から言えば、これは杞憂に過ぎなかった。
8/10(金)19:30関空発、中国東方航空。2時間ほどで上海に到着。
人生初の上海! トランジットだが。
ここで、航空会社が中国東方航空から中国国際航空(China Air)に変わるので、一旦中国への入国手続きを行い、貨物のリュックサックをバゲージ・クレームでピックアップした後、China Airのカウンターに向かいアテネ行きの便にチェックイン。
カウンターで、ミュンヘン→アテネのボーディング・パスはここ(上海)では発券できないので、ミュンヘンでチェックインして発券して欲しい、と言われる。
荷物はミュンヘンでピックアップする必要は無く、アテネで良いとのこと。
うーん、なんかめんどくさそう。それにミュンヘンのトランジットは1時間強しかなく、間に合うのか?
少々不安になる。
China Airとルフトハンザとの共同運航便である上海→ミュンヘンのフライトは、快適そのものだった。
機体はルフトハンザの機体である。
当然エコノミー席だが、一人一人のスペースが結構広く(横に2/4/2の並び)、各座席に個別に画面が設置されていて、映画もバラエティに富んだ豊富なタイトルを自由に選択して観れる。
エディ・マーフィの今年の新作「A Thousand Words」を日本語字幕で観た。未だ日本で公開されてないのに、日本語字幕で見れる! しかも中国/ドイツ系のエアラインで。
余りの設備の良さに感心。
映画自体も、ギャグが切れていて、とても面白かった。(一応、感動作であった。)
映画を観た後は、窓側の席だったので、5時間以上熟睡できた。飛行機でここまで熟睡できたのは初めてだった。
他の客のマナーが悪いという事もなく(客の半分は欧米人)、CAの態度については特に男性CAが無愛想だったけど、横柄というほどでは無い。
機内食については、まあ普通である。機内食に過剰な期待をしないので、まあこんなもんか、という感じ。
トイレも大丈夫。
中国系のエアライン、国内線はどうかわからないけど、国際線は一切問題無し。でした。
現地時間、土曜日の早朝にミュンヘン国際空港に到着。日本時間は土曜日の午後。
入国審査を通過し、空港内のChina Airのカウンターに向かい、並びながら待って、アテネ行きの飛行機にチェックイン。面倒な安全検査を通過して、アテネ行きの飛行機に搭乗する。
上海→ミュンヘンの飛行機が定刻で到着したので、全然余裕で間に合った。
ただ、もしミュンヘンへの到着が30分遅れていたら、この乗り継ぎは無理だったと思う。
というわけでミュンヘンから2時間のフライト、アテネのエレフテリオス・ヴェニゼロス国際空港に現地時間10時半に到着した。
一人で海外旅行は初めてである。
どうなることやら。期待より正直不安が。
続く
どの国にしようか?
最終的にギリシャに決めた。何か知らんが、クレタ島にずっと行ってみたかったのだ。
ヨーロッパ文明の源流。
半牛半人の怪物ミノタウロスとラビリンスの神話。
そんな漠然としたイメージしかないのだが。
クレタ島にずっとステイする事も考えたが、時間をもてあましそうだったので、色々他にも行きたい地域があったのだが、ペロポネソス半島を見て回る事にした。
かつての強大な軍事都市国家スパルタが位置していて、今は「ヨーロッパの偉大なる田舎」と言われている地域である。
これは、大学の時に読んだ沢木耕太郎「深夜特急」で、香港からポルトガルまで旅をする主人公が、スパルタの遺跡を前に感慨にふけっていたのが、結構印象に残っていたので。
アテネを起点にする形で、旅の前半をペロポネソス半島、後半にクレタ島、というルートに決定。
こうした旅のプランニングの詳細を固める前に、お盆休みのハイシーズンなので航空券だけは先に押さえておく必要があり、4月後半にはアテネ行きのチケットを購入した。
一番安かった中国国際航空(China Air)で。
他のヨーロッパ系エアライン、あるいはトルコ航空やエミレーツ航空などと比較して、China Airは大体1/2~2/3程度の価格で非常にリーズナブル。
しかしネット情報では、中国系の航空会社は結構評判が悪いのが判明。
「添乗員が横柄」「乗客がうるさくて寝れない/マナーが悪い」「自分の座席に別の乗客が座ってて、仕方無くそいつの席に移った」「トイレが詰まって故障」(←飛行機でそんなんアリかよ)などなど...。
実は今回の旅の、不安点の一つだった。
結論から言えば、これは杞憂に過ぎなかった。
8/10(金)19:30関空発、中国東方航空。2時間ほどで上海に到着。
人生初の上海! トランジットだが。
ここで、航空会社が中国東方航空から中国国際航空(China Air)に変わるので、一旦中国への入国手続きを行い、貨物のリュックサックをバゲージ・クレームでピックアップした後、China Airのカウンターに向かいアテネ行きの便にチェックイン。
カウンターで、ミュンヘン→アテネのボーディング・パスはここ(上海)では発券できないので、ミュンヘンでチェックインして発券して欲しい、と言われる。
荷物はミュンヘンでピックアップする必要は無く、アテネで良いとのこと。
うーん、なんかめんどくさそう。それにミュンヘンのトランジットは1時間強しかなく、間に合うのか?
少々不安になる。
China Airとルフトハンザとの共同運航便である上海→ミュンヘンのフライトは、快適そのものだった。
機体はルフトハンザの機体である。
当然エコノミー席だが、一人一人のスペースが結構広く(横に2/4/2の並び)、各座席に個別に画面が設置されていて、映画もバラエティに富んだ豊富なタイトルを自由に選択して観れる。
エディ・マーフィの今年の新作「A Thousand Words」を日本語字幕で観た。未だ日本で公開されてないのに、日本語字幕で見れる! しかも中国/ドイツ系のエアラインで。
余りの設備の良さに感心。
映画自体も、ギャグが切れていて、とても面白かった。(一応、感動作であった。)
映画を観た後は、窓側の席だったので、5時間以上熟睡できた。飛行機でここまで熟睡できたのは初めてだった。
他の客のマナーが悪いという事もなく(客の半分は欧米人)、CAの態度については特に男性CAが無愛想だったけど、横柄というほどでは無い。
機内食については、まあ普通である。機内食に過剰な期待をしないので、まあこんなもんか、という感じ。
トイレも大丈夫。
中国系のエアライン、国内線はどうかわからないけど、国際線は一切問題無し。でした。
現地時間、土曜日の早朝にミュンヘン国際空港に到着。日本時間は土曜日の午後。
入国審査を通過し、空港内のChina Airのカウンターに向かい、並びながら待って、アテネ行きの飛行機にチェックイン。面倒な安全検査を通過して、アテネ行きの飛行機に搭乗する。
上海→ミュンヘンの飛行機が定刻で到着したので、全然余裕で間に合った。
ただ、もしミュンヘンへの到着が30分遅れていたら、この乗り継ぎは無理だったと思う。
というわけでミュンヘンから2時間のフライト、アテネのエレフテリオス・ヴェニゼロス国際空港に現地時間10時半に到着した。
一人で海外旅行は初めてである。
どうなることやら。期待より正直不安が。
続く