SSブログ

Clammbon @ ガンガラーの谷 1日目 2013-9-28 [音楽]

沖縄観光2日目。

まずは、定番の首里城見学である。

那覇市内のモノレールである、ゆいレールにのって、首里駅に向かったんですが、そのゆいレールから見晴らす朝の空気の那覇の街並みに、軽く一目惚れ。
日本というより、アジアっぽい。簡単に言えば。カラフルで、ちょっと雑然としている。
いっぺんで、この街が気に入りました。

首里城は、修学旅行生と外国人観光客(主に中国系の方々)で大賑わい。
IMGP1248.JPG
途中から雨が降って来た。40分程度で首里城を一通り巡った。

首里城の横にある玉稜(たまうどぅん)。琉球王族の陵墓。世界遺産です。
世界遺産なのに、雨のせいなのか、観光客が他に2−3人くらいしかいませんでした。

IMGP1263.JPG
観光客の喧噪も無くて、静かな雨の中で、その小さな区画だけ、ちょっとした神聖な空気を感じました。
石に付着した苔と汚れが、時の流れを感じさせて、メキシコの森の中で見たマヤ文明の遺跡を連想させました。

続いて、レンタカーでひめゆりの塔へ。
実は今回の沖縄観光の目的の一つは、このひめゆりの塔。
ひめゆりの塔記念館は、胸が痛む、としか言い様が無かったです。
日本本土へのアメリカ軍の上陸を遅らせるための捨て石として、沖縄の人達が凄惨な犠牲を被った。
ひどすぎる話だと思うし、本土の人間はこの事実を、ちゃんと知っておくべきでしょう。

ひめゆりの塔の横のお土産物屋さん。
IMGP1275.JPG
ひめゆりの塔でダウンした気持ちは、この巨大キューピー人形で多少は癒された。
巨大キューピーは他にも数体立っていて、ここは謎のキューピー・ゾーン。

それから、車で30分程度、琉球王朝の聖地、斎場御嶽(せーふぁうたき)を観光。ここも世界遺産登録。
鬱蒼とした森の奥に、神域が点在していて、かつては琉球王国の王様の即位式が行われる神域でした。
今は、非常に有名なパワースポットになってますが、私はそういうのは鈍感な方なので、特にどうという感じではなかった。
奥には、三角形の岩の門があって、その先には三庫理(さんぐーい ←ガイドブックで名前を確認しつつこのブログを書いている・・・)という神域がある(一般観光客も入れます)のですが、そこからは、海と、琉球開闢の地(つまり琉球神話の最高聖地)の久高島が見渡せた。

「海の向こうに何がある?」(「波よせて」)
IMGP1279.JPG
(この写真には久高島は写ってませんが。残念。)

さて、斎場御嶽から退場して、この日の宿に向かう。
宿のご主人はとても良い方で、色々と興味深いお話も聞く事が出来て、大変お世話になりました。

宿に車を置いて、宿のご主人に道を聞いて、この日のクラムボンのライブ会場、ガンガラーの谷に向かった。
ガンガラーの谷は、おきなわワールド文化王国・玉泉洞の、車道を挟んだ向かいに位置している、鍾乳洞カフェ。今回の様に、プロのミュージシャンによるコンサートも時折開催されているスポット。

そこに到着したら、既に開場していて、列の一番最後に並んで入場。入り口を過ぎて坂道を下ると、そこが鍾乳洞の広場になっていて、その奥にステージが組まれている。前の方の座席が空いていたので、そこに座って開演を待った。

クラムボンの3人は、ステージ後方奥の階段の上から姿を見せた。

1曲目は、「サマーヌード」。言わずとしれた、真心ブラザーズの名曲の、名カバー。海に囲まれた南国らしい選曲。
2曲目「Good Time Music」も気持ちが良く、「Lady Madonna」「はなればなれ」と、この日も極めて快調な演奏に身も心も躍る気分。

空気公団のカバー「呼び声」も良かったのですが、この日のセットのトピックは、演奏される事がレアな「恋わずらい」。懐かしい。演奏もアレンジもこの曲だけ10歳若返ったような感じ。
そしてその次が、この日の天候を反映した「Re: 雨」。熱演です。

この場所で彼らがライブするのは2度目で、前回は2011年の全国ツアーの時。
実はその時も、「沖縄、しかも鍾乳洞でクラムボンがライブって、何かワカランけどコレは、魔法がかかるんじゃないか? とにかく観たい!」と思って、私はひそかに航空券まで確保して沖縄行きを画策していたのですが、仕事の都合であえなく断念を余儀なくされ・・・。よって今回、2年越しの念願が叶ったのでした。

この日のMCでミトは、この会場は音響が際立って優れていて、それは鍾乳石が、スタジオにおけるディヒューザーの役割を果たしているから!! という事を、説明(力説)。そして、この会場で一番音の響きが良い、”スウィート・スポット”の存在も。これは翌日、私も確かめた。

しん、と空気を浄化するような「幸せ願う彼方から」が披露されて、その後の「バイタルサイン」からの流れは、相変わらず鉄板。有無を言わさないライブ演奏の熱量。オーディエンスも熱い。
鍾乳洞という空間を異空間に変えてしまう照明も効果的だったインストナンバー「Kanade Dance」、続く「サラウンド」では、観客が郁子さんの代わりに大合唱。
イントロだけで狂喜乱舞する人多数の「シカゴ」で、本編終了。

アンコール1曲目は、「ある鼓動」。去年のよみうりランドでのバージョン。
足の「ドン!」が、この会場では、地面が土で全然音がしなかったのが少し残念だったけど、毎日の生活が続く様に一歩一歩足を踏みしめていくようなこの曲は、本当に名曲だと思う。

2曲目「波よせて」。原田郁子の「海の向こうに何がある?」のフレーズに、斎場御嶽のさんぐーいから眺めた、海に浮かぶ久高島の平べったい姿がフラッシュバックした私。魔法がかかってしまった。
海を渡るという事は、異境の地へ向かうということなのであります。特に、四方を海に囲まれた、ここ沖縄では。

この日のライブの最後を飾ったのは、前回のツアーでここで演奏されて、そのツアーのライブテイクを集めたライブ盤『3 peace 2』にも収録され、もう一度ここで是非とも演奏してみたかったという「Re-アホイ!」。この曲で再び鍾乳洞が異空間に変わった感覚があって、いつまでも続くような音の調べが非常に気持ちが良かった。

沖縄には、日本本土とは明らかに違う空気があって、それを今回の旅行で実感したというか、満喫したのだけど、それは神話的・精霊的な意味と、海に囲まれていて低緯度で、アジアにもより近いという、風土的な意味の両方があるように思う。(更に言えば、先の戦争での痛ましい犠牲を経た、歴史的な意味もある。)
そんな異境の土地である沖縄で、クラムボンのライブ演奏を聴く。
クラムボンの演奏の波長が、沖縄という土地の空気と共鳴しているような、化学反応というか魔法があって、やっぱり特別だった。
セットリストも良かったし。明日のライブも楽しみ。

さて、ライブが終わって会場を出ると、外は大雨。
傘を指して、i-phoneのランプ機能(超便利!まさしく文明の利器だな)で、街灯も何も無い真っ暗闇な道を照らしながら(側溝とかに落ちん様に)、宿の方向を目指した。

そしてそのまま宿には戻らずに、近所の飲み屋さん(宿のご主人に場所をあらかじめ教えてもらっていた)に向かい、夕食を済ませた。泡盛がやけに美味しくて、ビックリした。

食事を済ませた頃、地元のおっちゃんおばちゃんらが大挙してそのお店にやって来たので、それほど広いお店でも無く、そそくさとお暇しようとすると、その地元の方々のお誘いを受け、少しの間だけ、お酒と食事を共にすることに。
この日はたまたま、地元の有志ミュージシャンによる琉球音楽の演奏コンサートが那覇市で開催されていたそうで、そして、那覇市から戻って来た一行の打ち上げがたまたまそのお店で開かれる事になったそうで、それに同席する事になったのでした。

やがて彼らによる演奏と踊りが始まって、本場の沖縄音楽が、目の前でライブ演奏。これは何かのご褒美なんでしょうか?

その後も、地元のおっちゃんの若かりし頃のオートバイでの日本一周旅行の話とか、おっちゃんらの親の世代の戦争の話とか、色々と興味深いお話を聞く事が出来て、泡盛も美味しくて、何かこの日は本当にラッキー。

沖縄は、人も空気もあったかい。
雨も含めて、沖縄という地そのものの歓迎を受けたというか、沖縄の深い所に少しだけ触れさせてもらったというか、そんな思い出に残る一日。

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。