2015年 映画ベスト20 [映画 年間ベスト]
2015年に観た映画の個人的ベスト。
2015年は、2013年や2014年ほどではなかったけど、良い映画にたくさん出会えたことに感謝。
1位 「大河の抱擁」(京都ヒストリカ映画祭2015より) 監督:チロ・ゲーラ
深夜のオールナイト、寝ぼけ眼で出会ってしまった白黒のマジックレアリスム。
2つの時制を行き来しつつ、アマゾン川流域の密林の中へ、失われた時間と記憶の中へ。
旅のガイドはオカッパでほぼ全裸の呪術師。怒りんぼさんだけど、とても哀しそうな目をしている。
クライマックスでぶっとびました。
2位 「セッション」 監督:デミアン・チャゼル
個人的評価とやらで当時私は4.5点を付けたのですが(5点満点でなく)、その後もう1回観て、年間2位にしました。
豊作の今年の音楽映画の中でも、ひときわ強烈な一本。
人格破綻者のグルの導きの先には、音楽の狂気という荒野が口を開けて待っている。かつてジャズとは、闘いの音楽ではなかったか。光と影のスタイリッシュな影像美も見事。
3位 「カプチーノはお熱いうちに」 監督:フェルザン・オズペテク
風光明媚なイタリア南部の町レッチェが舞台の、野生味あふれる恋愛映画。と見せかけておいて。
魅力的なキャラクター達の群像によって織り成されるスイートビターな人生賛歌であり、映画ならではのマジックなストーリーテリングの妙で、時間と運命が交錯する奇跡的な瞬間がこの映画にはある。
4位 「幕が上がる」監督:本広克行
演劇部の部活動に打ち込む女子高生たちの群像を描いた、王道のアイドル映画にして、正真正銘の青春映画の傑作。
銀河鉄道の夜も映画にバッチリはまっていた。
5位 「草原の実験」 監督:アレクサンドル・コット
中央アジアの草原を舞台にした、極上の映像詩。
ため息が出るほどの美しい映像美とともに、草原とともに生きる人々の生と死の営み、そこに宿る普遍性と神話性。そしてこの映画でもクライマックスで完全にぶっとびました。
そして、6位から10位は順不同。
「アメリカン・スナイパー」 監督:クリント・イーストウッド
現代のアメリカンカウボーイのポートレイト。素朴な愛国心によって出征していった彼らソルジャーたちの疲弊に、黙祷を捧げる老カウボーイ=イーストウッド爺。
「二重生活」 監督:ロウ・イエ
現代中国社会の諸社会問題を反映しつつ、モダンでスタイリッシュな映像センスと、乾いた語り口でグイグイと引き込まれてしまう、洗練のミステリーサスペンス。
「チョコリエッタ」 監督:風間志織
フェリーニ「道」へのオマージュに溢れた青春ロードムービーは、同時に、震災後の圏内の風景からイマジネーションの世界に越境していく。
「ルック・オブ・サイレンス」 監督:ジョシュア・オッペンハイマー
「アクト・オブ・キリング」とともに、ドキュメンタリーの地平を勇敢に拡張する驚異の1本。
カメラの前でかつての殺戮者たちに向けられる、被害者遺族の静かで強い眼差し。暴力とは何か、人間の悪と何か、というテーマに対する、冷徹でスリリングなフィールドワーク。
「お盆の弟」 監督:大崎章
イイ奴なんだが中途半端な夢見中年男を、渋川清彦が好演。周囲の群像も魅力的な、リアル中年向け青春映画。白黒にしたことで、タイムレスな仕上がりに。日本の夏の匂いが白黒のスクリーンに充満している。
以下、次点クラス・・・。
「はじまりのうた」 監督 : ジョン・カーニー
正統派のインディ音楽礼賛映画。音楽が最高。
「おんなのこきらい」 監督 : 加藤綾佳
毒々ガーリームービーと見せかけておいて、後半の展開と着地点がエモーショナルで突き刺さる。
「海街diary」 監督 : 是枝裕和
4姉妹のキャスティングが抜群なのと、原作のテイストを損なうことなく映画化してくれて有難う。
「ジェームス・ブラウン 最高の魂を持つ男」 監督 : テイト・テイラー
今年のブラックムービーNo.1。困ったちゃんの一生だけど、ソウルのデカさはこの映画の熱さで十二分に伝わる。
「インヒアレント・ヴァイス」 監督 : ポール・トーマス・アンダーソン
エンド・オブ・サマー的西海岸テイストでキマッた、ブッとび探偵物語。オープニングのCANの曲が最高。
「ミッション・インポッシブル ローグ・ネイション」 監督 : クリストファー・マッカリー
トム・クルーズが最高。
「夏をゆく人々」 監督 : アリーチェ・ロルヴァケル
ため息が出るほど見事な終盤が魔法のよう。これぞ映画!って感じだす。
「ピース・オブ・ケイク」 監督:田口トモロヲ
多部ちゃんグッジョブ! 日本の恋愛映画の新たな定番。
「エール!」 監督 : エリック・ラルティゴー
とびきり可笑しくて、そして、ラストのド直球な感動で全て持ってかれてしまう。
なんとなく、夏感強めの映画が多い、今年のセレクトとなりました。
それ以外。
今年は特に豊作だった邦画では、
「百円の恋」、アニメの「百日紅」「花とアリス殺人事件」も。
そして今年は音楽映画の年。上に挙げた以外では、
「GOD HELP THE GIRL」「EDEN」など。
アクション/バイオレンス系では
「ナイトクローラー」「アントマン」、それにインド発の驚異のエンタメムービー「女神は二度微笑む」
「クリード チャンプを継ぐ男」もアツくて良かった。
他に、アジア圏から「犬どろぼう完全計画」、「薄氷の殺人」が、もう一度観たい映画。
次、俳優部門。
まず男性俳優では、トム・クルーズ!
やり過ぎだと思う。
トム様とどちらにしようか迷ったのが、「セッション」「Re:Life」のJ. K. シモンズ。
あとは、「セッション」マイルズ・テラー。「お盆の弟」「ソレダケ」渋川清彦。
女性部門は、丸刈姿がオトコマエすぎ!!!
「マッド・マックス 怒りのデスロード」シャーリーズ・セロン。まあ、異議なしでしょう。
次点として森川葵。「チョコリエッタ」「おんなのこきらい」での捨て身で映画にぶつかっていく感覚。それとこの娘も丸刈りです。
あとは、「百円の恋」安藤サクラ。彼女のどの映画でもそうですが、特に今作は独特の凄みを感じました。
それと、「はじまりのうた」でのギター女子っぷりが(それと美声も)素敵すぎたキーラ・ナイトレイ。
2015年は、2013年や2014年ほどではなかったけど、良い映画にたくさん出会えたことに感謝。
1位 「大河の抱擁」(京都ヒストリカ映画祭2015より) 監督:チロ・ゲーラ
深夜のオールナイト、寝ぼけ眼で出会ってしまった白黒のマジックレアリスム。
2つの時制を行き来しつつ、アマゾン川流域の密林の中へ、失われた時間と記憶の中へ。
旅のガイドはオカッパでほぼ全裸の呪術師。怒りんぼさんだけど、とても哀しそうな目をしている。
クライマックスでぶっとびました。
2位 「セッション」 監督:デミアン・チャゼル
個人的評価とやらで当時私は4.5点を付けたのですが(5点満点でなく)、その後もう1回観て、年間2位にしました。
豊作の今年の音楽映画の中でも、ひときわ強烈な一本。
人格破綻者のグルの導きの先には、音楽の狂気という荒野が口を開けて待っている。かつてジャズとは、闘いの音楽ではなかったか。光と影のスタイリッシュな影像美も見事。
3位 「カプチーノはお熱いうちに」 監督:フェルザン・オズペテク
風光明媚なイタリア南部の町レッチェが舞台の、野生味あふれる恋愛映画。と見せかけておいて。
魅力的なキャラクター達の群像によって織り成されるスイートビターな人生賛歌であり、映画ならではのマジックなストーリーテリングの妙で、時間と運命が交錯する奇跡的な瞬間がこの映画にはある。
4位 「幕が上がる」監督:本広克行
演劇部の部活動に打ち込む女子高生たちの群像を描いた、王道のアイドル映画にして、正真正銘の青春映画の傑作。
銀河鉄道の夜も映画にバッチリはまっていた。
5位 「草原の実験」 監督:アレクサンドル・コット
中央アジアの草原を舞台にした、極上の映像詩。
ため息が出るほどの美しい映像美とともに、草原とともに生きる人々の生と死の営み、そこに宿る普遍性と神話性。そしてこの映画でもクライマックスで完全にぶっとびました。
そして、6位から10位は順不同。
「アメリカン・スナイパー」 監督:クリント・イーストウッド
現代のアメリカンカウボーイのポートレイト。素朴な愛国心によって出征していった彼らソルジャーたちの疲弊に、黙祷を捧げる老カウボーイ=イーストウッド爺。
「二重生活」 監督:ロウ・イエ
現代中国社会の諸社会問題を反映しつつ、モダンでスタイリッシュな映像センスと、乾いた語り口でグイグイと引き込まれてしまう、洗練のミステリーサスペンス。
「チョコリエッタ」 監督:風間志織
フェリーニ「道」へのオマージュに溢れた青春ロードムービーは、同時に、震災後の圏内の風景からイマジネーションの世界に越境していく。
「ルック・オブ・サイレンス」 監督:ジョシュア・オッペンハイマー
「アクト・オブ・キリング」とともに、ドキュメンタリーの地平を勇敢に拡張する驚異の1本。
カメラの前でかつての殺戮者たちに向けられる、被害者遺族の静かで強い眼差し。暴力とは何か、人間の悪と何か、というテーマに対する、冷徹でスリリングなフィールドワーク。
「お盆の弟」 監督:大崎章
イイ奴なんだが中途半端な夢見中年男を、渋川清彦が好演。周囲の群像も魅力的な、リアル中年向け青春映画。白黒にしたことで、タイムレスな仕上がりに。日本の夏の匂いが白黒のスクリーンに充満している。
以下、次点クラス・・・。
「はじまりのうた」 監督 : ジョン・カーニー
正統派のインディ音楽礼賛映画。音楽が最高。
「おんなのこきらい」 監督 : 加藤綾佳
毒々ガーリームービーと見せかけておいて、後半の展開と着地点がエモーショナルで突き刺さる。
「海街diary」 監督 : 是枝裕和
4姉妹のキャスティングが抜群なのと、原作のテイストを損なうことなく映画化してくれて有難う。
「ジェームス・ブラウン 最高の魂を持つ男」 監督 : テイト・テイラー
今年のブラックムービーNo.1。困ったちゃんの一生だけど、ソウルのデカさはこの映画の熱さで十二分に伝わる。
「インヒアレント・ヴァイス」 監督 : ポール・トーマス・アンダーソン
エンド・オブ・サマー的西海岸テイストでキマッた、ブッとび探偵物語。オープニングのCANの曲が最高。
「ミッション・インポッシブル ローグ・ネイション」 監督 : クリストファー・マッカリー
トム・クルーズが最高。
「夏をゆく人々」 監督 : アリーチェ・ロルヴァケル
ため息が出るほど見事な終盤が魔法のよう。これぞ映画!って感じだす。
「ピース・オブ・ケイク」 監督:田口トモロヲ
多部ちゃんグッジョブ! 日本の恋愛映画の新たな定番。
「エール!」 監督 : エリック・ラルティゴー
とびきり可笑しくて、そして、ラストのド直球な感動で全て持ってかれてしまう。
なんとなく、夏感強めの映画が多い、今年のセレクトとなりました。
それ以外。
今年は特に豊作だった邦画では、
「百円の恋」、アニメの「百日紅」「花とアリス殺人事件」も。
そして今年は音楽映画の年。上に挙げた以外では、
「GOD HELP THE GIRL」「EDEN」など。
アクション/バイオレンス系では
「ナイトクローラー」「アントマン」、それにインド発の驚異のエンタメムービー「女神は二度微笑む」
「クリード チャンプを継ぐ男」もアツくて良かった。
他に、アジア圏から「犬どろぼう完全計画」、「薄氷の殺人」が、もう一度観たい映画。
次、俳優部門。
まず男性俳優では、トム・クルーズ!
やり過ぎだと思う。
トム様とどちらにしようか迷ったのが、「セッション」「Re:Life」のJ. K. シモンズ。
あとは、「セッション」マイルズ・テラー。「お盆の弟」「ソレダケ」渋川清彦。
女性部門は、丸刈姿がオトコマエすぎ!!!
「マッド・マックス 怒りのデスロード」シャーリーズ・セロン。まあ、異議なしでしょう。
次点として森川葵。「チョコリエッタ」「おんなのこきらい」での捨て身で映画にぶつかっていく感覚。それとこの娘も丸刈りです。
あとは、「百円の恋」安藤サクラ。彼女のどの映画でもそうですが、特に今作は独特の凄みを感じました。
それと、「はじまりのうた」でのギター女子っぷりが(それと美声も)素敵すぎたキーラ・ナイトレイ。
2016-01-06 19:22
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