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おとぎ話 "New Rose" @ 京都ネガポジ 2017-10-27 [音楽]

2017年、ロックバンドおとぎ話、絶好調な様子。
新譜のリリースはないものの、ワンマン、対バン、地方フェスと、全国各地津々浦々でライブ行脚。それだけ色んな場所から呼ばれるようになった、ということである。彼らはセットリストを毎回SNSで公開していて、見てみると、核となる数曲を除き、毎回毎回セットリストをガラッと変えている(だからセットリストを常に公開できるのだろう)。
こういうバンドが一番好きである。

時代が追い付いたとか、そういうことでは多分なくて、彼らは時代性や流行に関係なく、普通に最初から一貫して良質の音楽を作り出し、演奏し続けていた。その志と成果の積み重ねが、着実なファンベースという形でようやく結実しつつある、ということなんだと思う。
彼らのような音楽を必要としている人達、市場って言い換えてもいいけど、それは絶対に、どこかに必ず存在しているものである。そこに遂に彼らの音楽が届くようになったのではないか。
そしてそんな彼らに寄せられる、様々なアーティストからのフックアップとラブコール。これが呼び水として、いい感じに作用しているように感じる。

この日は東京と京都の二箇所だけの特別なワンマンライブの京都編。
New Roseという名付けられた今回のワンマン、名前の理由はセットリストが消化されていくにつれて明らかになる。会場は、おとぎ話の京都のベースとも言うべきネガポジ。このハコは、かつて、ウーララというライブハウスが存在していた場所で、そのウーララは近隣の別の場所に数年前に移転して今も営業しているが、その跡地に、かつて烏丸丸太町で営業していたネガポジが1年半前に移転してきた、という歴史である。昔のウーララには独特の磁場のような特殊な雰囲気があって、個性的なハコだった(今のウーララも変わらず個性的だけど)。今のネガポジは当時のウーララとレイアウトが同じということもあって、その雰囲気が今でも色濃く残っている気がした。

この日はオープニングアクトとして、ワッツーシゾンビの安里アンリ氏の弾き語りソロ。おとぎ話が活動を開始した時期から東京や大阪で対バンしていた両者の絆が、半分笑い話の形で語られながら(さすが関西人)、シャウト混じりの個性派な歌が披露された。

そして、短いセットチェンジタイムを挟み、おとぎ話のライブ。
優しい感じで徐々にグルーヴしていく「This is just a healing song」が1曲め。パーソナルな名曲「輝き」が続いた。「輝き」といえば、Sakerockの「Kagayaki」も素晴らしい名曲なんだよな〜とちょっと思いつつ(おとぎ話と全く関係ないけど・・・)、これぞおとぎ話流ポップソング「未来の乗り物」、そして「カンフー」・・・「カンフー」ってマジですか! 「カンフー」滅多に演奏されません。この時点で、New Roseという名称の意味に何と無くピンと来た。

Rose Recordから発表された2枚のアルバム「HOKORI」「Big Bang Attack」、この2枚は、これこそおとぎ話な・・・というよりも、これこそ有馬ソングライティングな、充実作の2枚なんですが、一部の数曲を除き、最近のライブで殆ど披露されない曲ばかりの、なんか不遇のアルバムなのである。その2枚のアルバムを全曲演奏しよう!というのが、この日のライブ「New Rose」の主旨、という訳でした。

よってその後もレア曲ばかり、マニアであればあるほど嬉しくて仕方がない演奏会と化したこの日。
有馬氏のボーカルは絶好調、牛尾氏のギターはキレッキレで変幻自在、ギターソロでは鳥のように気ままに空を飛び、着地は内村航平のようにビシッと決めてくる。特にここ数年の彼の進境ぶりは目覚ましいと思う。そしてそんな2人のフロントマンのバックで、黙々とグルーヴを奏で続ける2人のリズム隊の佇まいがまた、本当に素晴らしい。リズム隊あってのフロントであり、4人が一つになって音を奏でていく姿は、本当にグッとくる。かつてのミッシェルガンエレファントであり、ナンバーガールであり、銀杏Boyzであり、Sakerockである。

ライブで聴きたかったレアナンバーの数々が、抜群の演奏力とアップデートされたアレンジによって、立て続けに披露され続けていくこの日のライブは、私が拝見した彼らの近年のライブの中でも、1、2を争う満足度。中でも個人的に嬉しかったのは、「Animal」であり、「History」であり、「フランス」であり、「MOTHER」であり、「思春期」であり、「シンデレラ」「weekend」「1981」のメロウナンバーであり、「科学くん」であり・・・。「思春期」のVampire Weekendなイントロは最高だったし、「科学くん」のシューゲイザーなギターは終わりがあるからこそ永遠を感じた。

とっておきのダンスポップナンバー「ピーターラビット」から、「STAR SHIP」「Satellite League」「Gang Style No.1」とライブ映えするロックナンバーでピークタイムを迎え、「THANK YOU」でキレイにまとめる形で本編終了!
こちらこそサンキューな、いや〜感無量! 大満足。今回の演奏会に立ち会うことが出来て本当に良かった。

アンコールでは、エンケンさんに捧げる「不滅の男」のカバー。そして、代表曲である「Cosmos」「ネオンBoys」の2曲がチョイスされて、この日のライブは幕を閉じたのでした。


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DISCOVERY#2 2017-01-29 [音楽]

東京のスリーピースのロックバンドampel主催のイベント "Discovery #2" が大阪で開催。
出演アクトに中村佳穂の名前があり、なかなか興味深いセレクトのように思われたので、観に行った。場所は南堀江knave。

用事があって、開演時間を1時間回った頃に会場に到着。十分予想された事だったが、中村佳穂は一番手。もちろん、彼女のパフォーマンスはとっくに終わっていた。残念であった。この日はソロで弾き語りだったらしい。

既に2番手のバンドの演奏も佳境に入っており、Manhole New Worldという若手のインスト・ロックバンド、初めて拝見する。センターの若者がマリンバを演奏していて、思わず、おおSAKEROCKみたい!と思ったけど、音の感じはどちらかと言えばSpecial Othersっぽい。そしてマリンバの青年はパーカッショニストで、MC的な立ち位置の彼がお客さんにたくさんタンバリンを配り出すのを見て、単純にその手があったか!と感心。若者らしい熱くてbpm速めのバンド演奏と、それに煽られてノリ出すオーディエンスたち。3曲程度しか聴くことが出来なかったけど、素直に好印象。

3番手はノンブラリという女性vo.の4ピースバンド。
1曲目に演奏された曲が余りに素晴らしすぎた。クラムボンの影響が大と見受けられるが、横の男性ギタリストが男前な歌声でハモリだすと、ハンバートハンバートのような雰囲気も。特にこの1曲めが異様に高い完成度だった。ギタリストの彼は、他の曲では割とギターに専念し、そんなに歌わなかったので、ちょっと勿体無いかも、と思った。キーボードを弾きながら歌うセンターの女性の方の、曲間のMCの話し方と楽曲の歌詞の内容に、彼女の人となりがよく出ていて、彼女が音楽をする理由が分かるというか、そこに好感を持った。

そして本日の主催バンドであるampel。
この日の彼らのライブは本当に最高で、この3ピースバンドの真価を思い知った感じ。タイトなリズムセクション、男の色気を程よく感じさせる歌声とメロディ、空気を切り裂くようにソリッドで抜群にカッコいいギターソロの至福。本気で痺れました。2年前のフジロックの深夜のルーキーステージの時の驚きと興奮が、胸の中で鮮やかに蘇った。

よくぞ果敢に大阪で自主企画を開催してくれたものだ。その心意気、そして何よりも最高の演奏で、この日集まったオーディエンスをおもてなししてくれた彼らに拍手。お客さんもいい客層だったと思う。もっと関西で知名度が上がって欲しいな。
中村佳穂のパフォーマンスを観れなかったのは心残りだったけど、かなり満足して帰った。


YeYe @ 京都MUSE  2017-01-07 [音楽]

正月明けの3連休の初日。
YeYe 3rd Album 「ひと」リリースツアーの総仕上げ、京都公演。この日はいつものYeYeバンドに、サックス、トロンボーン、トランペットの3人の男性ホーン隊、及び女性コーラス2人のサポートメンバーを従えた、総勢9名の大所帯編成。

趣向を凝らした開演時の演出が楽しかった。
場内が暗転すると、MUSE内部の横の壁面に設置されたスクリーンに今日のメンバー一人一人の紹介映像が。そして、ビルの4階に位置する京都MUSEへと階段を駆け上がる自撮りムービーが流れ、会場後方の2階席から観客を見下ろす形でワーイ!と登場。 
かたやステージの幕が上がると、ステージ上ではたった一人、ドラムセットに腰掛けた妹尾氏の姿。ソロのドラムプレイ、すかさず同調するお客さんのハンドクラップ、後方から観客エリアを通ってわらわらとステージに上がるYeYeとその一団。そしてステージ上に勢ぞろいしたこの日のYeYeバンド特別編成9名によって、この日の一曲目「パレード」に突入したのだった。

「パレード」が終わると、YeYeはキーボードからギターに持ち替え、引き続き9人編成で、ロックチューン「a girl runs」、そして「He doesn't have Christmas」。軽快で風通しのいいポップネス、YeYeの音楽の魅力は何よりもそこにあって、序盤から、それが早くも全開。
サポートの5人がひとまず退場して、いつもの4人編成となってからは、いつものように、ボケとツッコミの役割分担が4人の中で明確な、愉快かつ腰砕けな4人のMCを挟みつつ、しばらく4人での演奏が続いた。

ヘビーなギターリフがガツンと炸裂する「Broke Your Phone」に、オーディエンスの反応がひときわ大きくなった。個人的に新譜の中でも特に好きな「ねじれる」のスケール感はライブでこそ本領を発揮する。そして「ハロー、ディア、ペネロピ」、「Veronika」、女性コーラス隊をステージに呼び戻しての「のぼる、ながめる」と続くセットリスト構成が、それぞれの曲が持つ表情と感情をグラディエーションのように繋いでいくようで、素晴らしかった。「Veronika」では、サポートの女性コーラスをあえて呼ばず、妹尾氏を中心とするコーラスワークをフィーチャーし、なかなか素敵だった。

田中成道のピアノソロから始まる田中氏の曲「Under The Sun」が、この日は何だか感動的な仕上がりだった。「Morning」では、オーディエンスにひときわ大きな歓声を要求、それにオーディエンスが応え、非常に盛り上げた。アッパーなダンスチューン「Do We We a」はホーンセクションが入った特別アレンジにて。そして「close your eyes」ではバンドとオーディエンスのハンドクラップの適度なバラバラ感が、いつぞや観たDirty Projectorsのライブのようで、メッチャ楽しい。

静かに胸に迫るような「very bad nights make you strong」は名曲で、後半のトランペットがまた、沁みてきた。そして「ate a lemon」でバシッと決めて、本編終了!

アンコールでは、YeYeのギター弾き語り+女性コーラス隊の3人だけで「明日は来ないか」。曲の後半でYeYeバンドの3人が音を重ね、思わずグッと来るアレンジで披露された。やっぱり今日の演奏は、アレンジ面でも非常に趣向を凝らし、練られている。で、「Miserable」は9人編成、これが太い4ツ打ちキックに圧倒された、まさに圧巻の演奏。

今日はあの曲はやらないんだなーと思ってたら、2回目のアンコール、この日のラストソング「ほしとにし」。アルバムに収録されているのは弾き語りなんだが、この日は、よりロック・テイストなバンドアレンジで、曲の良さが倍増。押し寄せる猛烈な感動、胸いっぱい。最高のライブショウだった。



Rainbow's End というイベント @ 京都MUSE 2016-9-16 [音楽]

単純にAnalogfish見たさで行ってきたこのイベント。大当たり! 
出演者は、中村佳穂、Analogfish、Shing02 & The Chee-Hoos。ナイスブッキング。

この日、MUSE内部は野外フェスっぽく装飾されていて、音楽以外にも、本格的なライブ・ペインティング、ちょっとしたフード出店、そして何故かマッサージ屋さんまでも。
夏フェスの祝祭感の演出が遊び心満点で、オツというか、風情があった。夏の残香というか。

1番手の中村佳穂、彼女は今年Fuji Rockにも出演した。
去年、彼女のライブを拝見した事があって、場内の、それまでのザワザワした空気が、彼女のピアノ弾き語りで一変したのが、今でも強く印象に残っている。
この日は男性ギタリストとのデュオ編成。彼女の歌とピアノが圧倒的に主人公なんだが、向き合って座るギタリストは弦の爪弾きやノイズなどでそんな彼女の音楽に音響的な一種の異物感を加えていく。面白い。
あんたがたどこさ、の童歌の我流アレンジでスタートし、自分の歌に今夜はブギーバックのラップパートをさりげなくインサートさせ、そして彼女の独自の歌世界を徹底的に聴かせてくれた。1年前よりもプロっぽくなってる!って当たり前か。
思わず彼女のデビューアルバムを購入してしまったのだが、BOSEがラップ参加していて軽くビビった。

2番手はアナログフィッシュ。途中のMCで彼らの後に出演するShing02への並々ならぬリスペクトの念を語った下岡氏。この日は持ち時間短いながらも出し切った感バッチリ、なライブだった。
「F.I.T.」からスタートし、このイベントのタイトルナンバーかも?「No Rain (No Rainbow)」を披露。やっぱりこの日はこの曲をやらないと。
ここで下岡パートから佐々木パートにスイッチし、「WILL」そして「Good Bye Girlfriend」と聴かせる。
そして披露された「Nightfever」のスムース&メロウなフロウに、アナログフィッシュ・ファンではない人達をもグッと前のめり状態へと引き込んだ状態に。で、次に「Baby Soda Pop」をライブアレンジにて。今日のセットリスト、攻めてるなあ〜。この曲は、その斬新なサウンドプロダクションゆえに、ライブでの再現性という点で課題を抱えていた様な印象があったのだけど、この日披露されたライブアレンジは一つの解となった気がする。今後、彼らのライブでの重要なレパートリーとなる事を大いに期待。
そして「Hybrid」「抱きしめて」で素晴らしい余韻を残して、トリのShing02へマイクパス。

ラスト、Shing02 with The Chee Hoos。
Shing02のライブを観るのは二回目、そしてこの編成で観るのは初めて。これが衝撃。
この日の中村佳穂とアナログフィッシュのライブでもそういう瞬間はあったのだけど、Shing02&The Chee Hoosのセッションはまさに、音楽というアートフォームに、まだまだ未開の可能性が広がっている事を、ワクワクしながら感じさせてくれるものだった。うわっー、こんなの今まで観たことなかったかも、という感覚である。

SPIN MASTER A-1によるアッパーなターンテーブル捌きで会場が十分あったまった状態で、Shing02本人とThe Chew Hoosのメンバーが登場、という冒頭の流れ。バックバンドとして生演奏するThe Chee Hoosの面々、特に、フリージャズ/アンビエントなテイストのギタリストの圧倒的なミュージシャンシップに、ひたすら感嘆。その生演奏+ターンテーブルに乗っかる、Shing02の抜群にキレのいいラップ。凄いものを見た。


ザ・なつやすみバンド @ 梅田Shangri-La 2016-9-12 [音楽]

3rdアルバム『PHANTASIA』リリースツアー。
今年の夏、彼らのライブを何度か観る機会に恵まれた。中でもフジロックの木道亭でのライブは、場所のマジックという最強の魔法の効果のおかげで(森の中というロケーションが、正直予想以上のハマり具合)、本当に今年の夏の良い思い出の一つ。

この日のワンマンは新譜のリリースツアー。当然、その収録曲の披露がセットのメインになる訳だが、この日はライブ全編を通して『PHANTASIA』の世界観そのものが表現されていくかのような、非常に高い完成度を感じさせるパフォーマンスだった。フジロックの時の、野外のシチュエーションと音が一体化する様な特別な開放感とはまた、趣きが全然異なっていて、相当仕上げてきたなあ〜と感心。演奏集団としてネクストレベルに到達した感も。それにしてもシャングリラは良いライブハウスだ。

壮麗な新譜のタイトルナンバー「PHANTASIA」でこの日のライブはスタート。ゆったりと音の波に身を委ねる感覚。凄くいい音。そして青春が疾走する「自転車」がそれに続き、次の「パラード」でまたガラリと空気が変わってしまう。グイッと惹き込まれてしまう序盤の流れ。

以降は、新譜に収録できなかったという曲「D.I.Y.」も含めて、新曲が立て続けに披露されていった。
無邪気で朗らかな「Donuts」は彼らの持ち味の一つであり、「Full Swing」「森のゆくえ」「Odyssey」といった初期クラムボンを彷彿とさせるポップソング群は、中川さんの鍵盤が奏でる主旋律にバンドサウンドが重なるという、このバンドの王道と言っていいと思う。
一方で、既にライブで何度も披露されている「summer cut」は、MC sirafuのクラブサウンド志向がTNBのフォーマットに落とし込まれた形のテクニカルなナンバーで、この日もバッチリ決まっていた。

中川さんが鍵盤からアコースティックギターに楽器を持ち替えて披露された「echo」は本当に素晴らしかった。そして新譜の中でも特に印象に残るスローナンバー「蛍」は、素晴らしかった演奏が続いたこの日の中でもハイライトの一つ。情感を込めたボーカルとそれに寄り添う演奏は、夏の夜の詩情に溢れていた。これは夜の野外で聴きたい! 本当に。

彼らのハイライトナンバーとなった「S.S.W.」から、エモさ最高な「悲しみは僕をこえて」への繋ぎは最高だった。そして「ハレルヤ」と、名曲&快演を立て続けて、本編終了。

アンコールは、なんと「Grand Master Memories」を4人だけでやっちゃった! しかも嫁入りランドの女の子たちのパートを、主にシラさんと村野さんのパンキッシュなシャウトで! ライブで聴くととんでもない爆発力とスピード感。この日のベストナンバーは「蛍」かと思ってたのに、この曲になっちゃった。いやはやスゲーもん観れた。

当初、アンコールはこの曲1曲だけの予定だったけど、やっぱり夏を終わらせるあの曲がみんな聴きたかったのかな? 鳴り止まない拍手、それに応えて再びステージに登場した4人、「なつやすみ(終)」が演奏されて、今年も夏は終わってしまったのでした。

最高の夜だった。これは、もっと多くの人に観てもらい、共有されるべきである。本当にもったいない!
そんな若干悔しい思いも密かに抱えつつ、ツアーグッズのトートバックを購入し、この日の記念とした。このバッグは頑丈そうであり、多分ヘビーユースすると思う。


おとぎ話 @ U.F.O. Club 2016-9-10 [音楽]

東京アンダーグラウンド音楽の聖地とされている高円寺のUFO Club。そこでおとぎ話がワンマン、しかもラウドな曲メインのスペシャル・セットでワンマンライブを開催するという。ちょうど土曜だし、UFO Club観光も兼ねて、レア曲を聴きに東京まで観に行く事にした。

ところでこのライブハウスはコインロッカーが無い。それはホームページに載ってたので了解済みだったのだが、駅にもコインロッカーが無かったのは考えが甘かった。東高円寺駅の改札を一度出た後で、再度改札を戻ってコインロッカーのある中野坂上駅まで戻る羽目に。そんなこんなで会場に到着したのは開演5分前だった。この日のライブは即完、ライブハウスは満員。

勝手に難波ベアーズみたいな雰囲気を想像していたのだが、赤基調の(照明のせいかな・・・?)サイケデリックな内装で統一された、新しめでキレイなライブハウスだった。内装をじっくり眺める時間もなくライブが始まって、1曲目は「JEALOUS LOVE」。早くも抜群の音響に感嘆。さすがUFO Club、なんだろうか。それで、中でも耳についたのが、この曲のグルーヴの要である風間氏のベースライン。牛尾のギターもスゲーいい。

「遺伝子」なんて滅多に聴けない曲も披露されつつ(この曲が収録された「HOKORI」は、彼らのディスコグラフィの中でも特に日の目を見ないアルバムな気がするのだが、真っ当かつユニークなソングライティング・センスの高さ、まるでPixiesのようなオルタナティブ・ロック・マナー、このバンドの良さが凝縮された実に爽快で非常に好きなアルバムである)、「きゅーと研究会」のスラッシュ&メタリックなグルーヴにも歓喜。このヘビーな音の波を一身に浴びて、全身の細胞が喜んでおります。

デビュー以降、今に至るまで、極めて精力的にライブ活動している印象の強いおとぎ話、しかし実はこの日のライブが、今年初のワンマンとのこと。これはわざわざ東京まで観に来た価値があった。4人とも絶好調だし。
秘かに1番聴きたかった曲である、サイケ・サーフ・ロック「逃げんな!」までセットに組み込まれていて歓喜。そしてUFO Clubに最も相応しい長尺サイケ「小悪魔ソング2」まで、前半の1時間近くMC無しの怒涛のロックナンバーオンパレード。

MCを挟んで再開されたライブの後半パートでは、「ピカピカ」がポップなダンスロックナンバーとしてその曲の真価がまさに目の前に発揮され、「BOY'S BEAT」に単純に燃え、畳み掛けるような「GALAXY」では一気にオーディエンスに火がついた、拳を突き上げる人続出。

ニューアルバム『ISLAY』(アイラ)の完成のアナウンス。そして次の対バン企画 ”New Moon, New Moon” ではドレスコーズとの2マン、しかもドレスコーズのライブはバックバンドはおとぎ話が務める予定で、つまり彼らはこの日は対バンというより、ひたすら演奏しっぱなしのダブルヘッダー!
そんな無茶苦茶な対バンをブチ上げるなんて、絶好調じゃないか! ドレスコーズ志摩さんの心意気も実に粋ですな。

そのまま「KIDS」「COSMOS」「光の涙」の代表曲を連発する終盤。この日の「COSMOS」の高揚感は、俺はアーケイドファイアをライブで観た時の興奮を思い出した。そして本編ラスト「運命」がまた、今まででベストの、実に見事な快演。いやはや。

アンコールは、有馬氏の弾き語りから始まった「SMILE」、そして「少年」。このソングライティングセンスに、異論を挟み込む余地はない。いや異論は認めない。アンコールのラストに演奏されたのは、最新シングルにして、キラキラしたサマーアンセム「セレナーデ」。う〜ん、来てよかった。

ステージから彼らが退場しても、再度のアンコールの拍手が鳴り止まない。やがて有馬氏から、一人ずつステージに登場して自分のパートの演奏を始め、最後に前ちゃんのドラムが加わってけたたましく「パレード」! やっぱりこいつら本当に最高や。

サイケデリックなデザインのタオルを購入し、この日の記念とした。


きのこ帝国 @ 日比谷野外音楽堂 2016-08-27 [音楽]

きのこ帝国、初の野外ワンマン。タイトルは『夏の影』。

季節感を強く投影した心情風景を描く方向性にシフトしている最近の彼ら、そして「クロノスタシス」「夏の夜の街」のような夏感強めのとっておきナンバーを持っている彼らにとって、夏の野音ほど似つかわしい場所はないのではないかと思い、東京まで出かけてみたのだった。

この日は残念ながら、雨の東京。抜けるような快晴~夕暮れで彼らの野外ライブを堪能する、という当初の期待はかなわず。土砂降りではなく、優しい雨だったのがせめてもの救い。

いつもの登場SE「MAKE L」と共にステージに登場した4人。Vo.佐藤の、「ど」が付くピンクヘアに驚きながら、レインウェアに缶ビール片手というスタイルにて、この日の一曲目「猫とアレルギー」を聴く。リードギターのあーちゃんがこの曲では鍵盤を奏でる。次の「35℃」ではエモーショナルな佐藤の歌に重なるように彼女の轟音ギターが炸裂、そして「パラノイドパレード」・・・やば、雨なのに超気持ちいい。夏の野音というシチュエーションに、この冒頭の一連の流れ、バッチリハマりすぎ。夏の野音のきのこ帝国、やはり正解でした!

しかしこの日は会場のすぐ近くで盆踊りが開催されていて、曲が終わると聞こえてくる、調子っぱずれな拡声スピーカーの祭り囃子・・・もはや軽く営業妨害のレベルである。当初はメンバーも戸惑っていた様子だったけど、演奏中は全然その騒音が気にならないほど、この日はグッと自分達の音に引き込んでしまう集中力の高いパフォーマンス。
 
静謐さの中に切ない感情を解き放つ「ハッカ」は、ヴォーカリストとしての佐藤さんの真骨頂。「夜鷹」の闇の中を滑空するようなイントロには毎度のことだけどワクワク。雨の夜にステージ上のライティングが美しい。そしてこの野音で一番聞きたかった「クロノスタシス」「夏の夜の街」にも満足。ここで聴けて良かった。この時点で今日の目標は達成した。

しかしここからが聴きどころ。この日初披露された新曲「夏の影」では、木琴やらパーカッションやらサポートメンバーが入った、レゲエ調の新機軸。同時に、ニューアルバムの発売が発表された。止まらない彼ら。

そしてそれ以降、「WHIRLPOOL」「ミュージシャン」といったスロー&ノイズ、クワイエット&ラウドな初期ナンバーの連発、彼らが奏でる轟音とエモーションの渦に身を委ねる最高の体験。
「海と花束」のイントロが鳴り響いた瞬間の覚醒感。やっぱこの曲が一番好きなんだよねー。そして「夜が明けたら」の静寂の中からやがて迸るホワイトノイズは、隠しきれない生命の衝動のよう。

そして新曲のラブソング「クライ・ベイビー」から、ここで演奏される事に大きな意味を感じさせる彼らの代表曲「東京」が本編ラストを飾った。

アンコールは「疾走」「明日にはすべてが終わるとして」で爽やかに締めくくり。
鳴り止まない拍手に応えて再登場した彼ら、ベースの谷口さんが慣れないMCでグッズ紹介している間に残りの3人で協議した結果、怒涛の「国道スローブ」に突入! 最高。最後で再びトップギアに入った演奏で、観客の声援に応えてくれたのでした。

東京まで観に行って本当に良かった。野音はかつて、SAKEROCKの野音をギリギリまで迷った挙句、見逃したことがあって、そのDVDを観て(これ、間違いなく彼らのベストパフォーマンスでしょう)本当に後悔したことがあった。今日のきのこ帝国でちょっとだけリベンジできた気がした、雨の夏の夜。

おっさんが着るにはちょっときつい感じのデザインのTシャツと同じデザインをあしらった、キーホルダーを購入し、この日の記念とした。キーホルダーなんて使わんけど。



Optimaというイベント @ 難波artyard studio 2016-08-13 [音楽]

去年のフジロックのルーキーステージで気に入った、ampelという東京の3ピース・ロックバンド。
そのバンドが大阪遠征するイベントに行ってみた。

会場は難波artyard studioという、ライブハウスというよりも、アート寄りな雰囲気が強めのイベントスペースって感じのヴェニュー。広くはないけれど、真っ白な空間、高めの天井、不必要な装飾を排したちょっとしたオシャレ空間。しかし、スタジオと名打っているだけあって、基本ギャラリーでたまにライブもあります的な場所、では決してなくて、音響設備はしっかりしている印象。なかなか個性的で良いハコだ。アーティストのPV撮影にも使用されている場所らしい。
雑居ビルの4階に位置していて、ごく近所には、これまた穴場ライブハウスのNamba Meleがある。

さて、ampel目当てに出かけたのだけど、それ以外の3組のバンド全てが実にカッコよくて、お盆休みにこのイベントをチョイスして難波まで出かけて来たのは正解だった。今回の4組の出演バンドには、互いに音楽性がかぶっていないのにも関わらず、絶妙な統一感があって、そのジャンル横断性と統一感の両立には、このイベントを企画しブッキングした人の抜群なキュレーターセンスを感じさせるものだった。
それに輪をかけたのが、artyardという会場である。ステージと観客フロアが明確に分離している(上と下になっている)ライブハウスやクラブと違って、まるでプライベートなガレージでライブを観ているような、ちょっと特別な雰囲気を思う存分満喫できたのであった。

1番手はhillenorz(ヒルエノルズ)という男女二人組。初見である。
男性がギター&ヴォーカル、女性がドラムスという、ホワイト・ストライプス構成。しかし音楽性は豪快なガレージ・ブルース・ロック、ではなくて、スネア&ハットメインで細かく刻まれたビートに、ギターリフを同期させ、それにスポークンワード、あるいは例えばLostageのようなオルタナ・テイスト強目の歌が乗っかる、という感じ。曲によってはフォーキーな感じも。
二人の音の組み合わせがアーティで面白いし、親しみやすさ、ポピュラリティも感じた。世界は広い。

2番手はtonicという4ピースのヒップホップ・インスト・バンド。初見。
実はこの日が3回目のライブ、らしい。本当かよ?って感じで、この日一番驚いたのはこのバンドだった。
Prefuse 73を生バンドで演奏しているような音楽性で、ギター、ベース、ドラムスのタイトなビートメイクの上に、フロントマン的な男性がi-pad音源(サンプリング?)でウワモノを担当。この人、本職はラッパーとのことで、面白い。そして、さすがリズム感抜群の盛り上げ番長。
日本の夏は、サザンとチューブとサマージャム95、と思うのだけど、そのサマージャム感抜群のダンストラックの連発。快演、素晴らしい。

(後日、ネットで tonic  バンド と検索したら、ホームページらしき場所にヒットしたけど、これは多分別のバンドだ。もっと個性的なバンド名にしたらいいのに。)

そして3番手に登場したampel。
去年のフジロック深夜の時の様なギターの暴発感は、今回は抑え気味。しかしタイトなバンドアンサンブルに香り立つ、伊達男3人衆のさりげないダンディズムは、この日も何というか、クールで粋。実にカッコ良かった。

最後のバンドはHONDENAという5人組バンド。もちろん初見である。バンド名から、おそらく大阪のバンドではないだろうか、と私は推測している。
これまでの3組が完全に期待以上で、それまででもう十分モト取った感はあったのですが、トリを飾ったこのバンドがまた、相当なツワモノの実力派。
何しろ、紅一点の女性vo.がとにかく規格外の存在感で目が離せない。伸びやかでパワフルなヴォーカリゼーション、そして小柄な身体をダイナミックに動かしながら、笑顔でオーディエンスを煽る煽る。このバンドの音楽性は、昭和歌謡的要素を引いたエゴラッピン、という感じ。ホンモノです。ダンスチューンでガンガン盛り上げていく感じがまさにそう、ヴォーカルの女性の強烈な存在感もまさしく。

トリに相応しく、観客も揃って大盛り上がりのライブでこの日は楽しく幕を閉じたのでした。
キーボードの男性は既に上京して、今度はギターの男性が上京するそうで、バンドの活動は今後少なくなっていくのかもしれないけど、今後の活躍に期待である。

おとぎ話 / ザ・なつやすみバンド @ 新代田Fever 2016-7-15 [音楽]

おとぎ話の対バン企画 New Moon, New Moon で、ザ・なつやすみバンドと対バンする事を知り、場所が東京にも関わらず、しかも平日夜である事にも関わらず、チケットを衝動買いしてしまいました。私は社畜失格です。整理番号は2番だった。

午後、半休を取得して新幹線で東京へ。新代田FEVERは、新代田駅のすぐ目の前にあった。

夏が来た事をしっとりと告げるかのような、はっぴいえんど「夏なんです」のカバーで始まった、先攻のザ・なつやすみバンド(TNB)のライブ。原曲が持っている、えも言われぬ詩情は、まさしくTNBならではのハマり具合。その曲が終わるや否や、間髪入れず「自転車」のピアノイントロ! そのまま一気に「悲しみは僕をこえて」と、静かな始まりから一気にエモ温度をヒートアップさせる序盤の流れは、季節感、すなわち夏の始まりも同時に感じさせてくれて、グッと来た。

この度、めでたく3rdアルバムをリリースし、しかもフジロック初出演!(しかも2公演!!)の彼ら。
この日のセットはそのリリース間近の新譜から数曲お披露目。その中で、先行配信された「森のゆくえ」は新たな定番になりそうなポップソング。その次に演奏された新曲はMC sirafuのクラブ趣味がアレンジの前面に出たスペーシーでエクスペリメンタルな感じ。その流れで「ラブソディー」にはオーディエンスからも熱い反応が。

MCタイム。中川さんが実はおとぎ話のファンで、TNB結成当初におとぎ話のライブを観に行った時に「KIDS」を聴いて、こんなバンドになりたい!という理想像になったという事を告白。正直これは意外だった、そして、今回の対バンのブッキングに納得。

新譜からこの日もう一曲披露されたのは、PV発表済みの「Odyssey」、これも定番になりそうな予感を強く感じさせるポップな仕上がり具合。そのままノンストップで「SSW」にフェードイン、この曲で繰り返されるフレーズ「毎日が夏休みだったらいいのになあ」に、何かグッとこみ上げてくるものが。そして、「パラード」のピアノに突入する。

バンドサウンドのアレンジが本当に素晴らしい「ハレルヤ」、そして「ファンファーレ」と、中川さんの傑出したソングライティングセンスが爆発した超名曲2連発で、この日の彼らのライブはフィナーレ。

さて、ホストのおとぎ話のライブが始まったのは、9時前後。
1曲目は「JEALOUS LOVE」、彼らにはしては割と珍しい、イマドキの日本のロックバンドっぽい曲調なんだが、これが鉄板のカッコ良さである。こういう曲に、何か夏っぽいフィーリングをついつい感じてしまうのは、多分、真心ブラザーズ「サマーヌード」以降のことだと思う。
次の「No SOS」はやはりいい曲で、有馬氏のメロディメイカーとしての才を改めて実感。その次は新曲で、また、中盤で披露された「セレナーデ」も夏感を感じさせるミディアムチューン。狙ったところを突いてみせるような有馬氏のソングライティングはちょっと職人的ですらある。

そうか、今回の対バンは、二人の天性のシンガーソングライター同士の対バンなのである。

後半戦では、「AURORA」の熱唱に胸を熱くさせられたり(「ファンファーレ」と「AURORA」の両方が聴けた事が本当に感慨深いのです)、TNBライブ中の中川さんのMCにレスポンスする形で「KIDS」を披露したり、久しぶりの「Star Ship」、そして「COSMOS」「少年」と超名曲連発で本編終了。

アンコールでは、TNBの面々をステージに呼び込んで、サザンオールスターズ「ラチエン通りのシスター」を楽しくカバー。
そんな彼らを見送ったあと、私は夜行バスで関西に戻った。

とても気持ちが良い翌朝、家のPCでPitchfork Festivalのライブストリーミングを鑑賞。
ちょうどBroken Social Sceneのライヴ中。久しぶりに彼らのライヴを観たい! 来日してくれんかな。 ところでステージ上にギター何人おんねん。
そんな事を思いながら観ていたら、ラストで演奏された「cause = time」「KC Accedental」になんか知らんけど涙が出そうになる程、猛烈に感動。
やっぱり私は音楽が無いといきていけないのかもしれない。

Taiko Super Kicks @ 京都 UrBANGUILD 2016-2-20 [音楽]

去年のフジロックのルーキーステージでたまたま目撃し、その気持ち良すぎる轟音サウンドに心を奪われて以来、まだかまだかと心待ちにしていたTaiko Super Kicksの関西公演が遂に。年末に出た新譜『Many Shapes』リリースツアーで、セレクトされた場所が京都木屋町アバンギルドってのも、なかなか絶妙な組み合わせである。

対バンは、and Young...と山本精一ソロ。東京の若手バンドを大阪の誇るツワモノたちがおもてなしする趣向と相成ったこの日。

1番手のand Young...は、この日は、ドラムがサポートでシゼンカイノオキテの人。彼女の丁寧かつパワフルなドラミングに載せて、前の二人がギターを弾きまくる。アンダーグラウンドの匂いをプンプンさせながら、あくまでも曲はポップ、そしてラウド&ブルージー。ライブハウスでしか聴けない音、を鳴らすことにかけて、このバンドは頭抜けている。音も佇まいもカッコイイ、この日のアンドヤングであった。

2番手は山本精一氏の弾き語りソロ。タイコスーパーキックスの恐れ知らずなリクエストで、この日は羅針盤の曲オンリーでの特別なセットリスト。これは往年の羅針盤ファンには悶絶もんだろう。私は全然知らないのだけど。
氏の滋味深い歌声で歌われる美しいメロディ、それに重なる、幾つものギターの弦の振動のレイヤー。この端正かつ豊潤な音響空間は、さすがのベテランアーティスト。ああ、またディグしなければならない存在が増えてしまった・・・。

と、ここまでの2組で既に大当たりのこの日。
そして本日の主役、Taiko Super Kicksは、既に去年の夏に素晴らしいライブを観ていたので、初めて聴く人も多いであろうこの日、去年の自分のように驚く人が続出するだろうなあ、と思っていた。
「霊感」で始まって、2曲目「夜」の素敵なイントロの辺りで、もはや、コイツら今日は(も)やってくれるに違いない!という確信。遂に牙をむくギターソロも最高、次の「Ringo no Sitsukan」のインプロパートの轟音シャワーも最高。

去年観た時は全く前情報も何もない状態だった訳で、とにかく間奏部の轟音ギターパートに由来する気持ちよさに耳を奪われてしまったのだが、今回はその時よりも幾分か冷静にライブを拝見することができ、ギター以外の音にもすっかり魅了されてしまった。絶妙な浮遊感をキープする女性ドラマーは独特な存在感を持っているし、時にギターに負けない轟音で自己主張してみせる寡黙(そう)なベーシストも印象的。そしてアンサンブルの中心にあるのは、ボーカリストの男性のハイトーンな歌声から溢れている唄心である。で、全体的には、新人バンドらしからぬ技量の高さ。恐るべき若者達。

新譜のタイトルナンバー「Many Shapes」以降は、新譜からの曲を連発で演奏。特に「低い午後」、素晴らしすぎる。本編最後の「夏を枯らして」まで、いつまでも聴いていたい、本当に気持ちの良い轟音の波と歌でアバンギルドの内部を満たしてくれた。

満場一致の拍手喝采に迎えられてのアンコールは「Kids」。やっぱり素晴らしい。
次回の関西ライブは全く未定とのこと。なるべく早急にまたこっちでライブを開催してほしい、もっと多くの人に聴いてもらいたい、と心から思う。


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